能見“鬼門”先陣任せろ!開幕ダッシュの勢いそのまま「勝つ」

[ 2015年3月31日 08:30 ]

笑顔で投内連係をする(左から)桑原、メッセンジャー、能見、松田、藤浪

セ・リーグ 阪神―ヤクルト

(3月31日 神宮)
 開幕3連勝を飾った阪神は30日、神宮球場でナイター練習を行った。31日のヤクルト戦に先発する能見篤史投手(35)は、昨年、投手陣が打ち込まれ鬼門となっている神宮のマウンドで今季のテーマに掲げる粘り強い投球を見せチームの勝利に貢献することを宣言。敵地6連戦での先陣を託された左のエースの快投で、開幕ダッシュを確実なものとする。 

 ピリピリしたムードとは違い、程よい緊張感を漂わせながら能見は口を開いた。開幕3連勝を飾ったチームの勢いそのままにマウンドに上がる。

 「(3連勝中で)良い形でね。負けてないから。しっかりチームが勝てるようにしたい」

 猛虎は京セラドームで中日相手に3連勝。ヤクルト、巨人と対する敵地6連戦の初戦を任された左腕は、チームの連勝を止められないという重圧については「そんなのを気にしていたらやってられない」と首を振った。余計なことは考えず、先発としての役割を果たすことに徹して、チームに白星を届けるつもりだ。

 公式戦初登板は、決して楽な戦いではない。向かうのは、リーグ屈指の強力打線を誇るヤクルトの本拠・神宮のマウンド。昨年のチーム防御率6・77が物語るように、ことごとく投手陣が打ち込まれ大味な試合展開となることが多かった舞台だ。

 能見も「ここの球場なんでね。(本塁打が)出やすい。風も強いし、レフトに吹いてても、ライトに伸びていく。いろんなことを試しながら。低めに投げることは変わらない」と低めへの制球の重要性を口にした。

 ただ、苦手意識は持っていない。昨年は神宮で2試合に登板し、防御率2・93。9月17日の対戦では8回無失点の好投を見せており、中西投手コーチも「能見は相性良いからな。先陣を切ってきっちり投げてくれれば(2、3戦目の)岩本、岩崎も投げやすくなる」と期待を寄せる。今季は開幕投手こそ、メッセンジャーに譲ったが“裏のエース”として後に続く、経験の浅い岩本、岩崎の若虎たちを引っ張る役割も託されている。

 「ランナーを出しても粘れるようにね。年間通して(のテーマ)なんでね。しっかりと投げたい」。9勝13敗に終わった昨年は序盤に失点すると、そのまま粘れず失点を重ねるケースが多かった。その反省を踏まえて今季テーマに掲げたのは「粘り強く投げる」こと。オープン戦期間中も、あえて走り込みを増やし疲労を蓄積させた上で登板するなど徹底してきた。

 「昨年の反省も踏まえてやることがある。今年は粘り強くね」。自身に言い聞かせるように会見を締めくくった。完全復活を目指す背番号14の、勝負のシーズンが幕を開ける。 

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