打率・111…青柳　目覚めろ４番！連覇キーマン「やるしかない」

平沼攻略に向け牙を研ぐ大阪桐蔭・青柳

第８７回センバツ高校野球準決勝 大阪桐蔭―敦賀気比

（3月31日 甲子園）
　第８７回選抜高校野球大会は、３１日に甲子園で準決勝２試合が行われる。選抜大会では初の休養日となった３０日、史上５校目の夏春連覇を狙う大阪桐蔭（大阪）は大阪府大東市内の同校グラウンドで最終調整。福井勢初優勝を狙う敦賀気比は、昨夏準決勝で敗退した雪辱へ闘志を燃やした。一昨年の覇者・浦和学院（埼玉）、東海大四（北海道）もそれぞれ決戦に備えた。

　不振の４番が目を覚ませば、勝機は広がる。昨夏準決勝の再現となり、青柳昴樹外野手（３年）は、西谷浩一監督の“親心”を真摯に受け止めていた。ホワイトボードに記されたシート打撃の打つ順番は９番目。投手陣は参加しておらず、原田知希（３年）と浜田功平（３年）のどちらかが左翼を守ることを考えれば、実質の打順は８番を意味する。降格の可能性もある中、４番に強烈なこだわりを見せた。

　「最初は“えっ、９番？”と思いました。でも、やるしかないと思っています。準決勝は４番で結果を出したいです」

　今大会３試合で９打数１安打の打率・１１１、１打点。１回戦の東海大菅生戦で左翼線を破る二塁打を放っただけだ。指揮官は「軸となる選手の活躍」を勝利の条件に挙げ、エース左腕の田中誠也（３年）、主将・福田光輝内野手（３年）、藤井健平外野手（３年）らとともに青柳の名前も口にした。「今、青柳はもがいていますが、もがくことは成長する過程。プラスにとらえ、タフな気持ちが必要」と奮起を促した。

　シート打撃は１死二塁や１死一、三塁、１死一塁、それぞれカウント１―１からの３パターンで実施された。青柳は中前打、右中間フェンス直撃の二塁打、左前打を放った。「状態は悪くない。一番大事なのは強い気持ち」と決意を示した。シート打撃ではただ一人、１打席多く立たせてもらった。

　昨夏の敦賀気比戦は４打数無安打。平沼とは３度対峙（たいじ）し２三振を喫した。いずれも外の変化球にやられている。「西谷監督から“苦しい時に打つのが４番だぞ”と言われています。自分の仕事をしたい」。頂点まであと二つ。夏春連覇の鍵は青柳が握っている。