イチ“定位置1番”獲りにいく!「ドキドキ」初実戦で2安打

[ 2015年3月2日 05:30 ]

試合形式の打撃練習で、二塁に進みチームメートと談笑するマーリンズのイチロー

 マーリンズのイチロー外野手(41)が28日(日本時間1日)、今キャンプ初の実戦練習となるシート打撃で「1番」に入り、4打席で2安打をマーク。ヤンキース時代の昨季はわずか2試合しかなかった、かつての定位置で快音を響かせた。大リーグ屈指の外野陣を持つチームでは現状では控えの立場だが41歳の現役最年長野手がハツラツとした動きで首脳陣に猛アピールしている。 

キャンプ5日目にして初めて行われたシート打撃。イチローは、緊張の面持ちで先頭の打席に入った。「ドキドキしましたよ。いきなり1番で打てとか、かる~く言われるから。いいな~、この感じ。いいぞ、いいぞ、とね」。伝統球団のヤンキースとは異なる空気感もすっかり気に入った。

 第1打席は一ゴロに倒れて迎えた第2打席。10年連続2桁勝利中の通算142勝右腕ハレンの直球を中前にはじき返す。続く第3打席は、13年にノーヒットノーランを達成し、昨季12勝の右腕アルバレスのカーブに体勢を崩されることなく、巧みなバットコントロールで右前に運んだ。

 マリナーズ時代は不動の1番打者だったが、昨季先発で座ったのは、わずか2試合だけ。「何でうれしいかは分からないけど、感じが…。あくまでもね」。忘れかけていた感覚に心が躍った。

 スポーツ専門局ESPNの格付けで1位にランクされたマ軍の外野陣。米スポーツ史上最高額の13年総額3億2500万ドル(約386億7500万円)の契約を結んだ右翼スタントンを中心とする布陣は鉄壁で、イチローも「4番目の外野手」を受け入れている。それでも現状にとどまる考えはない。2安打発進に「(結果は)いつだって求める。求めてるというか、獲りにいく」と言葉に力を込めた。

 守備では左翼に入った41歳に、マイク・レドモンド監督は、早くも「毎試合出場」のお墨付きを与えた。「評価しているのは確実にバットに当てるスイングだ。安打や出塁が必要なときに彼はそれができる」とし、「(DH制のない)ナ・リーグの良さは彼を代打で使えるところ。先発で起用する、しないにかかわらず、毎晩打席に立たせる用意はある」と積極的に起用する意向を示した。

 平均年齢27歳の若いチームだが、イチローの周囲には自然と日本語が飛び交う。中堅を守る24歳のオズナはフィールドでは背番号51と常に行動を共にし、敬意を込めて「イチローセンセイ」と呼ぶ。指揮官は「若い選手はイチローとの時間を楽しんでいるようだね。彼らはイチローの実績を知っているし、特別な存在であることも分かっている」と説明。これもスター選手ぞろいだったヤ軍とは全く異なる環境だ。

 初対外試合となる3日(日本時間4日)マイアミ大戦は打順は未定だが、右翼で先発予定。新天地で受けるリスペクトが41歳のイチローをよりエネルギッシュにしている。

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