マーの再来!入野、ローテ狙える3回無安打…指揮官も絶賛

[ 2015年3月2日 05:30 ]

<ソ・楽>同学年の田中(左)をほうふつさせる投球スタイルで3回を無失点に抑えた入野

オープン戦 楽天0―2ソフトバンク

(3月1日 ヤフオクD)
 マー君の再来だ。楽天のドラフト5位・入野貴大投手(26=四国IL・徳島)が1日、ソフトバンク戦で実戦初先発。昨季日本一となったソフトバンクの強力打線を相手に3回を無安打無失点(1四球)に抑え込んだ。最速147キロの直球とフォークで3者連続三振を奪うなど圧巻の内容。26歳のオールドルーキーは同学年の元エース田中将大投手(26=ヤンキース)をほうふつさせる投球スタイルを見せ、開幕ローテーション入りへ大きく前進した。
【試合結果 入野貴大】

 2回、先頭で4番・柳田を迎えた。同じ26歳。オールドルーキー・入野の右腕に力が入る。初球、この日最速の147キロの直球を投じた。フォークを挟み、3球勝負。再び147キロを投げ込み、見逃し三振を奪った。

 「対戦したいバッターだったので意識した。力入れました」。同世代の強打者を前に気持ちが高ぶった。3球三振。これ以上ない投球だったが「本当は空振り三振が良かった」と言ってのけた。

 初回、2番の明石をフォークで空振り三振。3番の内川も追い込む。2球続けた直球はいずれもファウル。するとフォークを投じ、見逃し三振に仕留めた。そして回をまたいで柳田まで3者連続三振。プロ初先発で3回を無安打無失点、1四球に抑えた。

 「直球が走っていたので、それを軸にできたのが大きい」。直球で押し、フォークで三振を奪う投球スタイルは元エース田中をほうふつさせる。31球中22球がストライク。約71%のストライク率を誇る制球力と、ここぞの場面で力勝負を挑む強い気持ちも田中級だ。ソフトバンクに強いところまで似ており、大久保監督も「真っすぐが強くてフォークは鬼のように落ちる。凄いのが出てきた」と絶賛した。

 田中とは同い年。入野は高卒ドラフト1位で球界のエースに上り詰める姿を「陰」で見守った。08年に四国・九州アイランドリーグ(現四国アイランドリーグplus)の愛媛入りし、13年に徳島に移籍。独立リーグでの7年間は雌伏の時だった。月給は約10万円で、オフは高知の実家でミカン畑の収穫を手伝い、衣料品店のアルバイトなどで生活苦をしのいだ。

 昨年は16勝で最多勝に輝き、徳島を独立リーグの日本一に導いた。「独立リーグ時代の泥くささを忘れずやりたい」。寮には徳島時代最後のウイニングボールを持ち込んだ。5位指名だが、長島哲郎チーム統括本部スカウト部長が「これは大プレゼント」と喜んだ隠し玉だ。田中が抜けた昨季は日本一から最下位に転落。先発の台所事情は苦しく、ローテーションの6番手として期待していた指揮官は「6番目より、もっと上に来るんじゃないか」と修正した。

 チームの新人では最年長の26歳は「もっと大きな舞台で投げたい。最年長ルーキーなので譲らずにやりたい」と言った。遅れてきたマー君世代が、楽天の救世主になる。

 ▼ソフトバンク・柳田 球が速かった。え、同い年なんですか。知らなかった。

 ▼ソフトバンク・内川 ボールは来ていたし、フォークが良かった。スライドしながら落ちたのかな。 

 ▼ソフトバンク・李大浩 凄くいい投手と思う。もう1回対戦したらやっつけないといけない。

 ▼四国IL・徳島時代の恩師島田直也前監督(現DeNA2軍投手コーチ)うれしいです。このチャンスをものにしてほしい。

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