【親友対談】沢村の中身は乙女!?菅野「男らしいイメージなのに…」

[ 2015年2月11日 11:25 ]

トロピカルジュースで乾杯する沢村(左)と菅野

 注目の野球人の本音に迫る「球春インタビュー2015」。第2回は巨人・沢村拓一投手(26)と菅野智之投手(25)の親友対談をお届けする。学生時代からの友人である2人は、プロ入り後はライバルとしてもしのぎを削ってきた。今季の沢村は守護神候補として救援に配置転換。一方の菅野は3年目にしてエースの風格を漂わせ、2年連続の開幕投手を狙う。そんな2人がぶっちゃけトークを繰り広げた。

 沢村 こうしてかしこまった感じで2人で取材を受けると、なんだか照れくさいね。

 ――2人は大学時代からの友人。互いの存在を知ったのはいつ

 沢村 (中央)大学2年の秋だったかな。松山で(大学日本代表の)合宿があって。そのときに一人だけ、不参加の選手がいた。頭に打球を受けたとかで。それが(菅野)智之だったんですよ。

 菅野 集合日の前日の練習でやってしまったんですよ。頭にボールが当たって、すぐに救急車で病院に。幸い何でもなかったので良かったんですが…。僕が沢村さんを知ったのは大学に入ってすぐ。中大の(東都大学リーグ1、2部)入れ替え戦の新聞の記事で取り上げられていて、知りました。

 ――縁あってプロではチームメートに。2年間一緒にやってみて

 沢村 クレバーな選手だと思います。自分が何をしたらいいか、しないといけないか。どういう立場に置かれているのか、理解している。プロなのでみんなもやりますけれど、その中でもやっている。そういうところが好きですね。

 菅野 そんなふうに見ていただけてるのは光栄ですね。沢村さんは“ゾーン”みたいなものがある。自分の世界に入れる、ということ。それは凄い能力だと思っています。練習中でもやるって決めたときは話しかけづらいくらいの雰囲気がある。“あっ、きょうはゾーンに入ってる”って(笑い)。そういうのが見える選手はなかなかいない。

 ――自然と一緒に行動する機会も増えた。プライベートでも仲が良いと聞く

 沢村 よく食事に行きます。3、4日続くときもある。2人だったり、年の近い(坂本)勇人や小山と一緒だったり。

 菅野 いつもお店は沢村さんが決めてくれます。沢村さんが常連のお店に、僕も常連になっていく。困ったときは沢村さん。詳しいんですよ。

 沢村 えっ、沢ナビ?

 菅野 沢村さんは乙女チックなところがある(笑い)。見た目、凄く男らしいイメージなのに。女の子の流行とかも知っている。おいしいお店もそう。だから聞く。

 沢村 なんか恥ずかしいなぁ。でも“○○を食べたい”って言われたら、すぐに浮かびますね。

 ――沢村選手から見て、菅野選手の意外な一面は?

 沢村 部屋がきれい。

 菅野 見た目、汚そうってことですか?

 沢村 いやいや、でも男の部屋って汚いことが多いじゃない。

 菅野 沢村さんの部屋もめちゃくちゃきれいです。ホテルの部屋も。余計なものが置いてない。

 沢村 置かないね。ごちゃごちゃしてる感じが嫌だから。それはお互いさまじゃない?

 菅野 実は僕は結構、荷物は多い。沢村さんが来る前には部屋を片付けてるからかな。

 ――互いの自宅にもよく行く?

 沢村 行きますよ。智之の家でご飯を作ってもらったこともあるね。

 菅野 2人でコストコに行ったときですね。

 沢村 そうそう。何だっけ?なんか作ってもらった。おいしかった。

 菅野 おいしかった割に覚えてない…

 沢村 ……。あっ、分かった。プルコギ丼!おいしかった。沢ナビならぬ、クック智之!

 ――食事中の会話はどう進む?

 沢村 野球だけじゃなくて、プライベートな話もする。僕が“どう思う?”とか相談することが多い。ダメなときは“沢村さん、それはないよ”とか返してくれる。

 菅野 真面目な質問に対して本当は違うと思っても“この人に対しては否定的なことは言えないな”と思って肯定しちゃうときもある。でもそれって、その場しのぎですよね。心を許せる先輩ならはっきりものを言える。沢村さんは最も心を許せる先輩の一人。

 沢村 うれしいなあ。僕は“こうだろう”って決めつけることはしない。不安だから。基本“どう思う?”って。だから智之みたいに意見をくれる人はありがたい。

 ――ハワイでの優勝旅行中も2人で語ったとか

 沢村 行きましたね。ホテルのバーにも。話が尽きるまで、男2人で語っちゃいました。

 ――過去2年は同じ先発投手として争った2人だが、沢村が配置転換

 沢村 (原監督から言われたときは)うれしかった。やりたいポジションだったので。実は監督に言われる前から智之もそうですし、勇人、小山たちとご飯を食べながら、そういう話をポツリ、ポツリとしたこともあった。

 菅野 そうでしたね。食事をしながら話していたことが現実になった。

 ――楽しみな部分が多い

 菅野 今までなら、絶対に一緒にお立ち台に上がれなかった。でも、今年はその可能性がある。もちろん投手として毎試合、最後まで投げきることを目指しますが、もし僕が7回無失点でいって、沢村さんにつなげれば。そうなれば、上がることはありえますよね。

 沢村 それが最高だね。先発をやらせていただいたことで、1週間勝ちがつかないときの苦しさは分かる。僕が追いつかれたら勝ち星は伸びない。しっかり勝ちをつけてあげられるようにしたい。

 ――キャンプも11日から第3クール。実戦登板も入ってくる

 沢村 1年間ケガなくプレーすること。去年はそれができなかった。先発投手に勝ち星をつけられるように頑張りたい。

 菅野 僕も全く一緒。コンディショニングがテーマです。それができれば、結果は後からついてくる。(体調を)維持するためにも、沢村さんにおいしいものをたくさん食べに連れていってもらいます。

 ◆菅野 智之(すがの・ともゆき)1989年(平元)10月11日、神奈川県生まれの25歳。東海大相模から東海大に進学。首都大学リーグ通算37勝をマーク。2011年ドラフトで日本ハムに1位指名されるも入団を拒否し、翌12年ドラフト1位で巨人入団。14年リーグMVP。通算成績は50試合で25勝11敗、防御率2・74。1メートル85、90キロ、右投げ右打ち。

 ◆沢村 拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日、栃木県生まれの26歳。佐野日大から中大では大学生歴代最速の157キロをマークして、大学4年春に最優秀投手賞。2010年ドラフト1位で巨人に入団。1年目の11年に11勝を挙げて新人王を獲得。通算成績は102試合で31勝34敗、防御率2・76。1メートル83、98キロ、右投げ右打ち。

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