瀬古陸上部総監督 中畑DeNAを“足スト” 親友のため臨時コーチ

[ 2015年2月11日 05:30 ]

1日臨時コーチのDeNA陸上部・瀬古総監督(中央)は柿田らの練習を見守る

 本命、穴馬かきわけて優勝指令だ。DeNA陸上部の瀬古利彦総監督(58)が10日、DeNAの沖縄・宜野湾キャンプで1日限定の臨時コーチを務めた。ナインには走り込みがシーズン終盤の好結果を生むと訴え、現役時代から親交の深い中畑清監督(61)にはリーグ優勝に向けて熱烈エール。それでも、最後は“漫才”を展開して、グラウンドは爆笑の渦だった。

 「ゴジラ」松井秀喜氏が去っても、DeNAのキャンプ地はまたも爆笑に包まれた。全体練習を終えると、中畑監督と瀬古総監督の漫談が始まった。

 今年1月のニューイヤー駅伝でDeNA陸上部が創部2年目で6位と前年の17位から大躍進。中畑監督が「5、6位が口癖の順位。俺もそういったら怒られるよな」と苦笑いすると、瀬古総監督が「野球の6位はダメ。箱根駅伝でも本命が負けた。おたく(中畑監督)の母校(駒大)が。本命が勝つとは限らない」と力説。「ホルモン家族でやりましょう!」と、リーグ優勝の際は中畑監督の長男・淳さんが都内で経営する飲食店での祝勝会プランをぶち上げた。

 朝は指揮官のお株を奪う熱唱でつかみはOKだ。午前9時50分。瀬古総監督が背番号「9」のユニホーム姿でグラウンドに登場する。マラソン初優勝を果たした1978年の福岡国際でのゼッケンが9番。美恵夫人と出会ったお見合いの日が84年9月9日。長男、次男の誕生日も9月9日。「9番はラッキーナンバーなんです」とニヤリ。そして、「♪走れ~走れ~中畑さん!本命穴馬かきわけて~♪」とソルティー・シュガーの「走れコウタロー」を替え歌で披露。中畑監督も「歌で返す準備をしてきたのかな。ライバル意識だね。キャラクター的にかぶるのがつらいな」と悔しさをあらわにした。

 もちろん、ふざけてばかりではない。練習前の円陣では「若い時に流さなかった汗は、老いて涙になって流れる」と訓示。キャンプ中の走り込みがシーズン終盤の好結果を生むと切々と訴えた。肝心の指導は、投手のダッシュを横で盛り上げたが「短距離で俺のテリトリーじゃなかった。がっかり」と苦笑い。それでも13年ドラフト1位の柿田を名指しし「3歩目までは下を向いて走った方がいい。体力をつけて9回まで楽勝で投げる投手になって」と助言とともに奮起を促した。さらに昨秋ドラフト3位・倉本(日本新薬)を「体の使い方が凄くいい。昔の中畑さんみたい」と絶賛。その倉本は「凄くうれしい。同じ寿彦(としひこ)なので励みに頑張ります」と声を弾ませた。

 「戦力になるか不安だったけど、瀬古でお金のかからない補強をしました。走れるということは本当に大事」と中畑監督。親友への恩返しは、昨季5位からの「ごぼう抜き」だ。

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