陽川“掛布グラブ”でつかむ「三塁定位置」…守備向上へ決意

[ 2014年12月16日 05:30 ]

新しいグラブの感触を確かめる陽川

 「掛布直伝グラブ」で勝負をかける。来季2年目を迎える阪神・陽川尚将内野手(23)が15日、兵庫県宍粟(しそう)市のミズノテクニクス波賀工場を訪問。掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=59)から助言を受け変更した新グラブは、元ヤクルト・宮本氏や巨人・村田と同型。最近6年間、三塁でゴールデングラブ賞を独占してきた2人と同じ「黄金グラブ」で三塁レギュラー争いに割って入る。 

 陽川が勝負のシーズンに向け「相棒」を決めた。この日、用具提供を受けるミズノ社の担当者から手渡された新グラブを手に、思い描いたのは三塁レギュラー獲りだ。

 「グラブをはめてみた感触も良かったので、これでいこうと思います」

 プロ1年目の今季は東農大時代から愛用する巨人・井端モデルを使用。変更を決断したのは、ミスタータイガースとして猛虎のホットコーナーを守り続けた掛布DCからの助言だった。

 「“グローブがあかん。三塁をやるならもっと大きくしないとだめだろう。(新しいのに)替えてもらえ”と言われました。僕自身も三塁で勝負したいと思っていた。来年は三塁のレギュラーを獲れるようにしっかりやっていきたい」

 発注したのは、これまでより捕球面が広く、グラブ全体の長さも5ミリ程大きくなっている巨人・村田モデル。特徴は「親指」にあるという。担当者によれば、通常の三塁手用より親指部分が5ミリほど短い作りになっており、逆シングルの捕球の際にグラブが地面と接触することが少なく、スムーズな捕球が可能となる。守備の名手として知られた元・ヤクルトの宮本慎也氏(野球評論家)も三塁転向の際に、親指部分を決め手に村田モデルに変更したという。

 三塁のゴールデングラブ賞は09年から12年は宮本氏、13、14年は村田が受賞。三塁の達人が愛用した、文字通りの「ゴールデングラブ」を陽川も手にし、今季ウエスタン・リーグで12失策を記録した課題の守備向上を狙う。この日は担当者と意見交換し、チームの先輩である新井良を参考に捕球面をさらに広く、深くしたモデルも発注した。

 秋季キャンプ中の紅白戦で特大弾を放って和田監督を「パンチ力がある」とうならせ、来春の宜野座キャンプメンバー入りを決定的にしている。

 「打つだけじゃ出場機会も限られる。この1年で守備も大事だなと実感しました。オフも守備をメーンにレベルアップしていきたい。ミズノさんにも一から全部作ってもらって、感謝しないといけない。1軍の舞台に上がって、恩返ししたい」

 現役時代の掛布DCと同じように、熱く魅せる守備を披露して自慢の打撃に花を添える-。来春、サード争奪戦がヒートアップするのは間違いない。 

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