マエケン五輪エース名乗り…6年後32歳「WBCとは違う重み」

[ 2014年12月16日 08:00 ]

地元広島でのチャリティゴルフコンペに参加後、2020年の東京五輪出場を熱望した広島・前田健

 日本ハム・大谷には負けない! 広島・前田健太投手(26)が15日、東京五輪への出場を熱望し、エースに名乗りを挙げた。国際オリンピック委員会(IOC)が五輪開催都市に実施種目の複数提案権を認め、2020年の東京では野球・ソフトボールの競技復活が有力だ。一方、チームで唯一未更改の来季契約については、年内決着にこだわらない姿勢を示した。 

 先ごろモナコで開かれたIOC臨時総会で、五輪開催都市による実施種目の複数提案権が承認されたニュースを、前田健は歓迎した。東京五輪で現実味を帯びてきた野球・ソフトボールの競技復活。「決まれば嬉しい。復活すれば注目される。出てみたいと思う」。弾んだ声で即答した。

 自身は13年春のWBCで、プロとして国際大会を初体験。不振の楽天・田中(現ヤンキース)に代わってエース級の働きを披露し、先発投手としてオールスターチームの一員に選ばれた。そんな実績を持つ右腕でも「オリンピック出場」となれば別もの。「違う重みがある」と強調した。

 「WBCは野球の日本代表。五輪(の種目)は野球だけじゃないし、日本の、国民の代表として戦うイメージ。五輪のメダルとなると、WBCとはまた違うと思う」

 五輪開催の20年、右腕は32歳になる。6年後でも「変わらない。そんなに衰えていないと思う」と笑い飛ばし、「選ばれれば(年齢が)上の方になると思う。しっかり引っ張っていければ」ときっぱり。先に名乗りを挙げた日ハム・大谷に負けじと、東京開催時のエースに立候補し、メダル獲得に意欲をみせた。

 前日14日に新幹線で広島入り。市内のホテルでディナーショーを開き、この日は東広島市のゴルフ場であったチャリティーコンペに参加した。多忙で日程調整がつかずチームでは唯一未更改。近く下交渉に臨む意志を示したが、契約の年内決着にはこだわっていない。

 「(提示)内容次第ですが、年内(契約)にという決まりはないし、一昨年も越年した。越年したからといって、もめているわけでもないので」

 交渉の場では、自身が希望するポスティング制度でのメジャー挑戦についても話し合う予定だ。「報道でしか知らない。まだ1度も、ちゃんとした話し合いをしていないので」。球団は既に今オフの移籍を認めない方針を公表。自ら確認した上で、改めて挑戦希望を申し入れると見られる。

 「この時期にしか話し合えない。自分の考えを伝えられれば…と」

 右腕は納得のいく説明を聞き、すっきりした気持ちでサインしたい意向だ。 

 ▽前田健の13年WBC 広島から今村とともに日本代表メンバーに選出された。3月3日中国戦、10日オランダ戦に先発し、ともに5回無失点で勝利投手。17日(日本時間18日)に米国で行われた準決勝のプエルトリコ戦では、初回に適時打で1点を失い、これが決勝点となって敗退した。大会を通じて計15イニングで18奪三振、1失点(自責点1)、防御率0・60の好成績。大会のベストナインにあたる「オール・WBC・チーム」に選出され「初めての国際大会で、各国の選手の中から選ばれたことを光栄に思います」とコメントした。

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