安楽 亡き恩師に“マー君級活躍”誓う 160キロ無敵腕目指す

[ 2014年10月24日 05:30 ]

楽天の1位指名を受け上甲監督の約束を果たした安楽は、遺影にそっと微笑みかける

2014ドラフト会議

 【楽天1位 安楽智大 投手・済美】 自ら会見場に持ち込んだ恩師の遺影。安楽の横には、優しい笑みを浮かべる済美の上甲正典前監督がいた。ヤクルトに続き、楽天も1位指名。抽選で楽天・立花陽三球団社長の手が挙がると、最速157キロ右腕もほほ笑んだ。

 「一つ約束を果たすことができました。1位で名前が挙がらなかったら、どうしようかと思った」

 9月2日、上甲前監督が胆管がんで死去。その恩師に、入学時に誓った「ドラフト1位でのプロ入り」を果たした。「“これからも見守ってください”と報告したい」と言うと、遺影をチラリと見た。

 2年生だった昨春のセンバツで準優勝。甲子園で772球を投げ、米国でも話題となった。ところが昨秋、右肘を痛めてからは不安な日々を過ごしてきた。「もしかしたらプロに行けないのではないか、と思った」。最終学年では甲子園出場も逃した。そんな時、恩師は「今頑張れば花が咲く」と声をかけてくれた。

 夢をかなえた。ただ、安楽は「夢は途中」とも言った。息長く活躍し、プロで誰からも認められる投手になることが究極の夢だ。理想像として「(ヤンキースの)田中将大投手のような、負けないピッチャーになれれば」と、楽天の偉大な先輩の姿を自分と重ねた。

 上甲前監督との、もう一つの約束である「160キロ」も追い続ける。「バットがへし折れるくらいのストレートを投げたい」と力強く語った。その一方で、東北の地については「小さい頃、雪遊びをしたかった。雪山を見るのが楽しみ」と高校生らしい一面も見せた。

 中継車4台、報道陣約80人、テレビカメラ15台の前で堂々とした受け答え。プロが厳しい世界なのは承知しているが、恩師はいつも天国から見守っている。

 ▼楽天・大久保監督 最後の最後に満場一致で安楽投手となり、立花社長がしっかり引いてくれた。将来のエース。2位では小野投手も獲れた。100点です

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