【明大・善波監督 この選手が凄い】早大・中村 勝負強い万能型

[ 2014年10月21日 12:10 ]

<立大・早大>延長11回2死三塁、中村は左前に勝ち越し適時打を放つ

大学生野手編

 今年の大学日本代表のメンバーを選考する際に、私の中の「野手のドラフト1位」は中村奨吾(早大)だった。

 彼の良さは、何といっても勝負強さ。ここ一番、打ってほしいところで打ってくれる。代表では迷わず4番に据えた。場面に応じていろいろな打ち方ができるのも特長。右におっつけたり、長打を狙ってもいい場面で外野の間を抜く打球を打ったり、追い込まれてもファウルで粘ってしぶとく食らいついたりできる。一番信頼できる選手で、大学ではNo・1の野手。早大では二塁を守っているが代表では外野で起用した。足もあるし、守備範囲も広い。プロで長くやれる選手だと思う。

 東京六大学リーグで対戦している藤本知輝(慶大)は、飛ばすツボを持っている。大きいのを打てるのは、それだけで魅力。外角にもバットが届くし、対戦していて一番怖い打者。昨年、代表入りした江越大賀(駒大)は最後のシーズンでよく打っている。右打者で走攻守三拍子がそろう選手はプロでもなかなかいないだけに、今後が楽しみ。

 昨年の嶺井(亜大→DeNA)、梅野(福岡大→阪神)らに比べて今年は捕手が少ない印象だが、代表で数試合マスクをかぶった千葉義浩(東北福祉大)は安定したスローイングが売り。相手を熱心に研究する姿勢もいい。ミーティングでも積極的に意見を言うようになったし、まだまだ成長できる。加藤匠馬(青学大)はトップクラスの肩の強さを持っている。

 ヘッドの利いたスイングをする山下幸輝(国学院大)、打席での雰囲気がある福田将儀(中大)、守りのいい佐藤卓也(東北福祉大)も名前が挙がってくるだろう。野間峻祥(中部学院大)は潜在能力が高く、プロでどこまで伸びるか注目したい。

 ◆善波 達也(よしなみ・たつや)1962年(昭37)8月11日、神奈川県生まれの52歳。桐蔭学園―明大を経て、東京ガスで捕手としてプレー。明大のコーチを務めた後、08年から監督。11年には野村(現広島)を擁し、明治神宮大会優勝。昨年から大学日本代表の監督を務める。

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2014年10月21日のニュース