福留 本塁打打てば6戦全勝!「選手は誰一人あきらめてない」

[ 2014年9月15日 06:31 ]

<神・広>お立ち台でガッツポーズの(左から)西岡、福留、メッセンジャー

セ・リーグ 阪神5-0広島

(9月14日 甲子園)
 一直線に伸びた打球が大歓声に引き寄せられながら右翼席に入った。一塁を蹴った阪神・福留は力強く、何度も右こぶしを突き上げた。17失点という13日の歴史的大敗から一転、緊迫の投手戦。0―0の均衡を、そのバットでうち破った。8月21日の中日戦以来となる6号ソロで勝利を呼んだ。

 「今シーズン打った中でも、いい手応えのホームランだった。点も取れてなかったし、昨日ああいう負け方をしたので、なんとかしたいと」

 7回1死。中田が投じたやや低め144キロ直球を、完璧にとらえた。ラッキー7の攻撃、甲子園にいつも吹く浜風がやんでいた。福留は「前の回に守っていたときから、風が変わっていたことは気付いていた」という。狙って打った本塁打だったのか?との問いに対しては「いや、そんな技術はありません」と笑う。その言葉が謙そんにしか聞こえないほど、鮮やかすぎる一撃だった。

 不振で2軍降格も経験した今季は、流れを変えようと必死だった。2軍から昇格した6月下旬、打席に入るテーマソングを変えた。Superflyの「タマシイレボリューション」から、imagine dragonsの「It’s Time」。自ら選んだ曲ではない。「気分転換」と言ったが、チーム関係者に「なんでもいいから」と頼んで選んでもらった。野手の正面を突く不運な当たりが続けば、試合中に新井良のバットを借りて打席に入ったこともある。やるべき準備は常にやっているのに結果は伴わない、苦しい日々。些細なことでもいいから、変化を求めていた。

 「この流れの中で(3連戦に)勝ち越せたのが良かった。これからじゃないですか。試合も残っている」

 本塁打を放てばチームは今季6戦全勝。お立ち台で仲間と逆襲を誓った。「選手は誰一人あきらめてないですし、目いっぱい、最後までプレーします」。どんな窮地でも流れを変えられるベテランがここにいる。

 ▼阪神・マートン(8回に左中間へ13号2ラン)カットボールが頭にあったが、真っすぐが内側にきて、しっかり捉えられたと思う。

 ≪本塁打打てば6戦全勝≫福留が8月21日の中日戦以来17試合ぶりの6号。本塁打を打てば、チームは今季6戦全勝だ。この日は7回0―0からの先制ソロで、今季5本目の肩書(先制、同点、勝ち越し、サヨナラ)付き。阪神移籍の昨季からは通算12本のうち11本が肩書付きと、勝利への貢献度が高い。

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