「明日１面でしょ？」オリ平野恵　２年ぶり本塁打

＜日・オ＞６回無死、先制ソロを放った平野恵はペーニャ（左）らに抱えられる

パ・リーグ オリックス７－２日本ハム

（9月14日 札幌Ｄ）
　徳俵に足が掛かってから、少しだけ体勢が戻った。首位ソフトバンクと３・５ゲーム差に接近。負けられないオリックスの体を起こしたのは、頼れるベテランたちだった。殊勲打の平野恵は「明日（新聞の）１面でしょ？」と笑った。確かに１面級の仕事ぶりだった。

　６回無死、０―０とこう着した展開で、浦野の高め直球を右翼席に放り込む１号ソロ。２年ぶりの本塁打は昨年の古巣復帰後初の一発で、打線爆発を呼んだ。「他の打席が情けなさすぎた。悔しい気持ちがインハイをたたけた原因」。大谷に完封された前日１３日と合わせて、１４イニング連続で無得点が続いていたが、チームに活気を吹き込んだ。

　グラウンド以外でも頼れる存在だ。「チーム状態が悪いときに、必ず恵一さんが選手だけのミーティングを開いてくれる」（安達）と快進撃を陰で支える。「みんな、前の日のことは引きずっていない。だから、でかい連敗はないでしょ」と平野恵も手応えを感じる。ソフトバンクに離されそうな展開で、追走できるのはベテランの気配りがあるからだ。

　投手陣にも頼れる男がいる。６回、１点差に迫られ、なおも無死一、三塁で岸田が登場。絶体絶命の場面だったが、近藤、大引を連続三振に仕留めるなど無失点でしのいだ。「思い通りにはいかなかったが、丁寧にいこうと。（伊藤）光がいいリードをしてくれた」。森脇監督も「追いつかれたら、普通の試合以上に苦しかった」と称賛した力投だった。

　岸田のおかげで、走者を出していた比嘉の連続無失点記録も３２試合に伸び、パ・リーグ歴代単独２位浮上となった。１６日から本拠地にソフトバンクを迎える対決で奇跡を起こす準備は進んでいる。

　▼オリックス・ディクソン（自己最高の９勝目も６回途中降板）調子は良くなかった。６回は先頭を打ち取って、もっと長い回を投げなければいけなかった。