グリエル 狙って打ったV弾!G戦9年ぶり勝ち越しいける

[ 2014年9月15日 05:30 ]

<巨・D>9回無死、グリエルは先制の10号ソロを放つ

セ・リーグ DeNA3-0巨人

(9月14日 東京D)
 一発だけを狙って、本当に打った。0―0で迎えた9回。先頭で打席に入ったDeNAのグリエルは左翼席中段に10号ソロを叩き込んだ。

 「長い間チームに得点が入ってなかったし、強く振ることを心掛けた」。31イニングぶりの得点は決勝弾となった。負ければ4連敗、さらに5位転落の危機だった。それだけに中畑監督もベンチで両手を広げて喜びを爆発。「一発で変えるんだという自覚があった。この1勝は大きい」と頼りになる主砲に感謝した。

 グリエルは自身への怒りもバットにぶつけた。6回の第3打席で高木京の内角高めのボール球に空振り三振。この打席も一発狙いだった。普段は温厚な助っ人が「悔しかったし腹が立った」と珍しくバットを放り投げ、ネクストサークルにいた筒香が慌ててよけた。「狙い球を待って本塁打にするキューバと違って、日本は(投手の球種が多彩で)なかなか本塁打が難しい。まだ慣れていないし、順応するしかない」と話したが、目の色が変わった9回の第4打席で本領を発揮した。

 グリエルは試合前のティー打撃で真後ろから投げた球を打つ。軌道が見えず、視界に突然現れる球にバットを出す練習は実戦に生かされている。決勝弾はマシソンの真ん中高めに浮いたカーブ。「球が速い投手で直球狙いだったけど、浮いた変化球に反応できた」と一瞬の判断で狙いとは違う球をスタンドに運んだ。巨人戦は25打数11安打、打率・440。同じキューバ出身セペダ、アンダーソンとは会食するなど親交が深く、6月に来日した際には数々の国際大会で戦ってきた同学年の長野と電話で会話し「お互い頑張ろう」と励まし合った。前夜は長野の決勝打で敗れたがきっちりお返しをした。

 チームも巨人戦10勝9敗。05年以来9年ぶりのシーズン勝ち越しが狙えるところまで来た。残り20試合で阪神とは4・5ゲーム差。「まだ全然可能性はある。CS進出できるように頑張ります」。グリエルは球団初のCS進出に向け、一発を狙って打つ。

 ≪51年ぶり≫DeNAが3投手のリレーで巨人に完封勝ち。前日は巨人に零敗を喫したが、このカードでチームが零敗直後の試合に完封勝利は63年4月28日●0―9→同29日○1―0と大洋時代に記録して以来51年ぶりと珍しい。9回決勝本塁打のグリエルは今季10号。これでDeNAの外国人はバルディリス16本、ブランコ15本と合わせ3人が10本以上。チームで外国人3選手が2桁本塁打は10年にスレッジ28本、カスティーヨ、ハーパーが19本を放って以来2度目。今季グリエルに本塁打が出た試合にチームは8勝2敗。7月12日ヤクルト戦から6連勝中とチームに弾みがついている。

続きを表示

この記事のフォト

2014年9月15日のニュース