村田 あと1人から逆転ポロリ打 セペダ4四球ミラクル呼ぶ

[ 2014年5月22日 05:30 ]

<西・巨>9回2死満塁、走者一掃となる右前適時打を放つ巨人・村田

交流戦 巨人4-3西武

(5月21日 西武D)
 4度目の正直だ。巨人は21日、西武戦で2点を追う9回2死満塁から村田修一内野手(33)が右中間に落ちる走者一掃の右前打を放ち、土壇場で逆転に成功した。交流戦2連勝を収めた。西武・菊池雄星投手(22)を攻略できずに拙攻のオンパレードだったが、4度目の満塁機でようやく得点を奪った。新加入したキューバ出身のフレデリク・セペダ外野手(34)も持ち前の選球眼を発揮し、4四球で勝利に貢献した。

 村田は心の中で叫んだ。「落ちてくれ!」。2点を追う9回2死満塁。打球は力なく右翼前へ上がった。祈りは通じる。西武の右翼手・木村と二塁手・浅村が交錯し、白球はグラウンドに転がった。代走の一塁走者・小林まで生還する走者一掃の右前打。土壇場で逆転ドラマが待っていた。

 「フォアボールでみんながつないでくれた。ライト前で3打点。バットに当てれば何かあると思っていた。あとアウト1つで負ける試合を、みんなでひっくり返せた」

 8回まで12残塁。3度の満塁機で凡退を繰り返した。村田自身も開幕から5度の満塁機で無安打だった。最後に殊勲打が生まれ、3安打猛打賞。17打数無安打で交流戦を迎えた。開幕当初、4番を務めた7番打者は「感覚は取り戻しつつある。これをきっかけに立て直したい」と力を込めた。

 ボール球に手を出しかけていたチームに、最後につなぐ意識を生んだのは、キューバから来た4番のセペダだった。9回1死一塁。1ボール2ストライクと追い込まれながら9球粘ってこの日4つ目の四球を選んだ。2死後、阿部も四球でつないで満塁となったからこそ、西武は逆転となる一塁走者を還さないよう、外野手は深く守った。そこに村田の打球は落ちた。決して偶然ではない。

 セペダは「四球はヒットに値する。1試合4四球は珍しくないよ。(キューバでは)5四球もあったからね。キューバではほぼ毎年1位だ」と胸を張った。キューバ国内リーグで今季は85試合で100四球。右打席でも左打席でもステップせず、体の回転で打つから目線がブレない。昨年3月のWBCで大リーグ球団のスカウトから「世界一」と称賛された選球眼は異国の地でも共通だった。

 直前の7試合を1勝6敗で交流戦を迎え、敵地・西武ドームで2連勝。救援陣も無失点リレーで我慢した。「(村田は)当たりは決していいものではないけれども、結果が出てくると、本人もチームも明るい。この2試合はいい形でカバーしながら勝てている」。原監督も反攻の兆しを確かに感じ取っている。

 ≪交流戦3度目≫巨人は1―3の9回2死満塁で村田が走者一掃の逆転右安打。交流戦で巨人があと1人で敗戦の劣勢から逆転勝利を収めたのは08年6月21日ソフトバンク戦(1―2→○3―2)、11年5月17日楽天戦(2―3→○4―3)に次いで3度目。2点のビハインドを一気にはね返したのは初めてだ。今季の村田は前日まで満塁機に5打数無安打とさっぱり。昨年10月8日ヤクルト戦以来の満塁での安打が劇的勝利を呼び込んだ。

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