ロッテ加藤 “一発屋卒業”サヨナラ前夜から2打席連発

[ 2014年5月22日 05:30 ]

<ロ・ヤ>初回2死二、三塁、前日のサヨナラ弾に続く2打席連発の3ランを放ちベンチに迎えられる加藤

交流戦 ロッテ9―6ヤクルト

(5月21日 QVC)
 前夜と同じ快感が襲った。試合後。ロッテ・加藤はサインボールを手に右翼スタンドに向かうと、ファンからの「翔平コール」を全身に浴びた。最高に気持ち良かった。

 「2試合連続本塁打はありますが、2打席連続は人生初です。自分が一番ビックリしています」。プロ2年目のスイッチヒッターは前日、延長10回に人生初のサヨナラ本塁打。この日は初回の第1打席だった。2点差を追いつき、なお2死二、三塁から石川の初球スライダーを捉えた。前日のVTRのように右打席から左翼席に叩き込み、2打席連発の勝ち越し3ランとなった。3、5回にも安打を放ち、猛打賞のおまけまでつけた。

 打撃不振のため4月13日に出場選手登録を抹消されたが、2軍での1カ月が加藤を変えた。「仮に2軍で打てたとしても、1軍で打てないスイングのまま打率を残してもしようがない。一度白紙に戻す」。以前はすり足で打っていたが、ソフトバンク・内川とオリックス・糸井の映像を繰り返し見て、考えを改めた。「これ以上すり足でやっても進歩はない。2人はしっかり足を上げてタイミングを取っている」。まずは前足を上げ、しっかりと軸足に体重を乗せることから始めた。

 伊東監督のアドバイスもあり、バットも重くした。左右両打席ともに890グラムを使っていたが、左打席では920グラム、右打席では900グラムに。ヘッドの重さを利用し「しっかり上から叩けるようにしたかった」という。以前は体が前に突っ込む悪癖が目立ったが、軸足に体重を乗せてからバットをボールにぶつける意識を強くした結果、飛距離は飛躍的に伸びた。

 伊東監督は「この感じならしばらく使っていきたい」と目を細めた。新人だった昨年の石垣島キャンプで素質にほれ、現役時代に西武で黄金期を築いた仲間の姿とダブらせた。「秋山幸二になれる」――。23歳は指揮官の願いに応え始めた。昨年はプロ初打席初球本塁打という鮮烈デビューを飾りながら、レギュラーシーズンは1本止まり。今年は「一発屋」では終わらなかった。

 ≪49年ぶり≫加藤(ロ)が1回に勝ち越しの2号3ラン。前日のヤクルト戦では延長10回にサヨナラ3ランを放っており自身2打席連続。サヨナラ弾→次打席本塁打は新井良(神)が12年9月2日広島戦、4日巨人戦でマークして以来。ロッテでは東京時代の65年にパリスが7月30、31日近鉄戦で記録して以来49年ぶりと珍しい。前日は久古、この日は石川といずれも左腕からの一発で両打ちの加藤は右打席。今季加藤の左右打席別成績を出すと
  打―安 本 点 打 率
右 9―6(2)6・667
左33―7 0・212
 右打席で大暴れしている。

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