呉昇桓 帽子に「7」で審判から注意「韓国でずっとやってきたから」

[ 2014年4月4日 05:41 ]

<神・中>帽子に「7」と書いてマウンドに上がった呉昇桓

セ・リーグ 阪神7-4中日

(4月3日 京セラD)
 同僚の無念を石直球に込めた。4点リードの9回、5番手としてマウンドに上がった阪神の呉昇桓の帽子のツバの上には、白文字で「7」と記されていた。

 「ケガ人が出た時には、韓国ではずっとやってきたことだから。(西岡を思うことは)他の選手もみんな一緒だと思う」

 言うまでもない。3月30日の巨人戦で飛球を追った際に福留と激突し、左右第一肋骨(ろっこつ)骨折などで戦線離脱した西岡を思って、帽子にペンを走らせた。歳は下でも、キャンプ中から積極的に声をかけてくれ、オープン戦中には会食する機会もあった。

 国籍こそ違えど、ともに移籍組とあって、分かち合えることも多かった。今、できることは何か-。それは、西岡の分まで精一杯プレーすること。背番号7が復帰するまで一つでも多くの勝利をチームに届けることしかなかった。

 先頭の田中に投じた初球は152キロを計測。強い思いはボールに表れていた。1死一塁から大島には右中間突破の適時三塁打を浴び失点したが、傷口をそれ以上、広げることなく試合を締めくくった。

 「久しぶり(の登板)だったけど、常にベストな状態に持って行くことが大事。点を取られたことはダメだなと。満足はできない」。今季2試合、本拠地初登板で、来日初失点を喫し本人は不満顔だったが、先の戦いを見据え表情を引き締めた。

 試合後には審判から帽子のことを注意され「(審判に)やるなと言われたのでやめます」と苦笑い。燃える気持ちは胸にしまい、「石仏」は全力で腕を振っていく。

 【公認野球規則1・17注3】(2)ユニフォーム(帽子、ストッキングを含む)の表面のいかなる部分にも商標などの表示をすることはできない。

続きを表示

この記事のフォト

2014年4月4日のニュース