西岡に届け!福留1号2ラン「剛を安心させるためにも」

[ 2014年4月4日 05:30 ]

<神・中>4回1死一塁、右中間2ランの福留(右)はゴメスとハイタッチ

セ・リーグ 阪神7-4中日

(4月3日 京セラD)
 まだ4回。早くも試合を決定付ける一発だった。阪神・福留が1死一塁から、中日先発の山内が投じた初球のシュートを右中間へ今季初本塁打とし、初打点も挙げた。

 「前の打席で打てなかったので、何とかしようという気持ちだった。それだけ」

 短い言葉に雪辱の思いを込めた。打率・198に終わった昨季からの復活に懸ける。だが、開幕カードとなった3月30日の巨人戦(東京ドーム)の守備で西岡と交錯し、胸部を打撲。その影響に加え、前日は疲労を考慮されて欠場していた。「プレーしている以上は関係ない」と多くは語らないが、この日も試合前のシートノックへの参加を回避するなど体調は万全ではない。

 そして2回2死二、三塁の好機で見逃し三振。それだけに「打てる球が来たらどんどん打っていこうと思っていた。前の打席で(シュートは)ファウルになっていたし、一振りで仕留められたのは良かった」。99~07年に在籍した古巣・中日からは初の本塁打となり、これで日本通算199本塁打。200号に王手をかけると同時に、ようやく存在感を示した。

 自らとの交錯プレーで鼻骨、肋骨を骨折していまだ入院中の西岡。「ああいうことの後やったから、早く一本という思いが強かった。あいつもああいう性格だから、自分のことより人のことを心配する。剛(西岡)を安心させるためにも凄く良かった」と安ど感に浸った。

 ほかにも故障離脱した西岡の代役の上本が3安打、ゴメスは6試合連続安打を放つなど打線が力強く援護した。前夜の大勝の勢いを持ち込み、4回まで毎回の7点。今季初のカード勝ち越しと連勝に、和田監督は「(福留の)あの2ランが大きかった。開幕から苦しんだ割には早い段階で(借金を)返せた」と息をついた。開幕4試合で3度の2桁失点というプロ野球ワースト記録をつくった瀕死(ひんし)の虎が、完全に息を吹き返した。

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2014年4月4日のニュース