ゴメス 開幕いける!初打席初球を中前へ 中村GM「雰囲気ある」

[ 2014年3月16日 06:21 ]

<中・神>初回1死一塁、ストッキングを見せるクラシックスタイルで登場したゴメスは初球を中前打

 右膝裏痛で調整が遅れていた阪神のマウロ・ゴメス内野手(29)が15日、教育リーグ・中日戦(ナゴヤ)で初実戦に臨んだ。「3番・DH」で3打席に立ち、2打数1安打1死球。第1打席の初球を中前打し、積極果敢な打撃姿勢を見せた。視察した中村勝広ゼネラルマネジャー(GM=64)も「雰囲気がある」と新4番候補にあらためて期待した。16日の同戦では一塁守備に就く予定だ。

 振ると決めていた。「自分は積極的な打撃を心がけているからね」。1軍でも実績がある先発右腕・岩田と対峙(たいじ)した初打席。一塁に北條を置いた場面で、初球の132キロ直球を叩くと、打球は瞬く間に二遊間を抜ける中前打となった。1死一、三塁と好機を広げる対外試合初安打。得点にはつながらなかったが、約330キロ離れた横浜スタジアムで結果を聞いた和田監督もホッと胸をなで下ろした。

 「(初球を安打にしたのは)いいこと。順調に来ている。あす(16日)試合に出て、何もなければ合流させる」

 12日に甲子園で初フリー打撃を行い、前日14日のシート打撃では小嶋から一発も放っている。ここ数日で急激に上がってきた調整ペース。2月23日の故障以降、何をするにも一進一退だった4番候補の新助っ人が、ようやく実力を見せ始めた。

 「3カ月くらい実戦から離れていたけど、自分が思っていたより球は見えていた。(初打席の安打も)結果そのものには満足しているよ」

 2打席目は少しヒヤリとした。3回先頭での場面。岩田が、今度は打たれまいとチェンジアップ、シュートと変化球で攻めてきた。すると3球目の131キロが脇腹付近をかすめた。ただでさえ慎重に慎重を期している最中。ネット裏の球団関係者、報道陣もざわめいたがオマリー打撃コーチ補佐は「(当たったのは)シャツネ。ダイジョウブ」。元気に一塁に歩くと、続く一二三の二ゴロでは、併殺阻止のためベースへ猛然とスライディング。気温が10度前後という肌寒い中での一戦。一人だけ半袖アンダーシャツを着てプレーしたゴメスの心は燃えたぎっていた。

 「だんだん(投手の球に)慣れてきたと思う。これから試合も増えてくるし、投手とのタイミングも合ってくる」

 3打席目は2番手・祖父江が投じた143キロ直球を打ち損じ、平凡な中飛。それでも中村GMは、このひと振りに底知れぬ可能性を感じ取っていた。

 「(投げる球を)間違ったら(スタンドまで)行くぞ、という雰囲気があった。(中飛も)あのへんをつかまえられるようになると本調子だな」

 16日は一塁で出場し、問題がなければ17日から関東遠征中の1軍に合流する。

 「あとは投手との勘、変化球に慣れないと」。結果が出せていない猛虎打線を救うため、“超速”仕上げで開幕に間に合わせる。

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