呉昇桓 うなった石直球 サヨナラピンチも連続空振り三振斬り

[ 2014年3月16日 05:40 ]

<D・神>1イニングを無失点に抑え、和田監督(左)とハイタッチをかわす呉昇桓

オープン戦 阪神2―2DeNA

(3月15日 横浜)
 横浜でも、「石直球」がうなりを上げた。阪神新守護神の呉昇桓(オ・スンファン)が、同点の9回から5番手でマウンドへ。セ・リーグの敵地球場での初登板を、当然のように零封発進した。

 場所なんて、「石仏」には関係ない。どこのマウンドでも、どんな状況でも、落ち着き払った鉄面皮がはがれることはなかった。そして、もちろん剛球も健在だった。

 先頭の白崎からは149キロの外角直球で空振り三振を奪うも、続く金城には137キロのカットボールを右中間二塁打された。一打サヨナラのピンチ。だが、「それがどうした?」と言わんばかりの無表情で、静かにギアを上げた。

 「そういう(得点圏に走者を背負った)状況では、(抑え投手は)必ず抑えないといけない」

 走者を背負うと投球スタイルも一変した。後続の代打・多村、同・井手の2人に投じた8球はすべて直球。果敢に右打者の内角も攻めた。「そこは大事。ピンチで内角が甘く入ると失投になる。1球で試合が終わる危険があるから気をつけないと」。表情には出さない気合をボールにこめ、この日の最速150キロも2度計測。ともに空振り三振に料理した。特に最後の1球は捕手・藤井のサインに首を振ってまで、直球にこだわった。

 見守った指揮官も「真っすぐは前に飛んでいなかった。1球打たれたのはスライダーかな。その後は真っすぐで、意図的に空振りも取れていた」と満足げだった。日増しに調子を上げる新守護神の背中は、頼もしいかぎりだ。

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2014年3月16日のニュース