松坂 投球テンポも良くなった “批判の的”から大幅に改善

[ 2014年3月4日 06:31 ]

<カージナルス・メッツ>2回を2安打1失点だった松坂

オープン戦 メッツ1―7カージナルス

(3月2日 ジュピター)
 メッツの松坂大輔投手(33)が2日(日本時間3日)、オープン戦に初登板初先発。昨季のナ・リーグ覇者カージナルスを相手に2回26球を投げ、2安打1失点。昨季よりも投球のテンポや球速が上がり、公式戦を見据えてセオリーと異なる配球を試す場面もあった。マイナー契約から先発5番手の座を目指す右腕に対し、首脳陣もまずまずの評価を与えた。

 松坂は心の中でうなずいた。初回1死三塁、打席には8年連続20本塁打のホリデー。3ボールから91マイル(約146キロ)の外角直球を、バックネットに当たるファウルにされた時だった。

 「後ろに飛んでいるうちは、いい回転の真っすぐが投げられているのではないですかね」

 バックネットへのファウルは一般的に打者がタイミングが合っていることを示すバロメーター。だが、松坂にとっても好材料だ。昨季140キロ台前半が中心だった直球はこの日、最速92マイル(約148キロ)を記録。常時90マイル(約145キロ)を超えた。全26球中、直球によるファウルは3球。いずれもバックネットを揺らすものだった。

 ホリデーにはフルカウントからスライダーを左翼線二塁打されたが、これも想定内だ。「あえて相手が得意な球で勝負をした」。昨季リーグ覇者のカージナルスとは公式戦でも4月から対戦がある。「今は何とか(開幕ロースターに)残ること」としながらも「先を考える必要がある。うまく両立させたい」とシーズンへの布石も打った。

 もう一つの大きな変化はテンポの良さ。過去7年間、松坂の投球間隔は平均25・3秒で、かなり長い部類に入る。勝てない時期は米メディアの批判材料ともなった。2回に「(テンポを)意図的に変えた」と話したように、2人目のエリスに対しては平均17・5秒。打者3人に平均15~20秒で3者凡退に仕留めた。

 試合後、テリー・コリンズ監督は「いい球を投げていた。5番手の先発として有力候補の一人」と言及。松坂も「(相手が)ほぼレギュラーで、自分の状態がどのあたりまで来ているのかという確認ができた」と振り返った。次戦も7日(日本時間8日)のカージナルス戦に登板予定。招待選手という立場上、結果と並行しながら内容を高めていく。

 ≪昨季ワースト5位≫米データサイト「ファングラフス」によると、松坂の7年間の投球間隔の平均は25・3秒で昨季は25・0秒。昨季の規定投球回数到達者のランキングにあてはめると25・8秒でワーストのプライス(レイズ)に迫る5位に相当する。最も短かったのはブルージェイズのディッキーで17・9秒。マリナーズの岩隈、ヤンキースの黒田、レンジャーズのダルビッシュらは24秒台で、日本の先発投手は総じて長い。テンポの早さで知られるレッドソックスの上原は昨季21・2秒だった。

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2014年3月4日のニュース