西武・中郷 リリースの瞬間見えづらいスモーキー投法

[ 2014年2月19日 07:38 ]

スモーキー投法の西武・中郷

 スモーキー投法。球が煙の中から突然飛んでくるという比喩に由来する。西武・中郷の投球フォームは、右腕がテークバックに向かう際、完全に体幹に隠れる。つまり、打者にとってはボールが視界から消える状態になる。

 「体の狭い幅で腕を回そうと意識している。体の線上に腕があれば、打者は(ボールが)見えにくい。(腕が)横にブレないようにしている」。3年前の自主トレで、当時チームメートだった小野晋吾氏(現ロッテスカウト)から教わったという。右腕が体幹からはみ出すことがないまま、リリースの直前も右手を頭の後ろに隠し、100%の力で腕を振る。そのために、リリースまでグラブ(左手)で壁をつくりながら、体が前に突っ込まないように工夫を凝らす。

 現役投手でスモーキー投法の代表格はカブス・和田、巨人・杉内。そして、くしくも西武からロッテにFA移籍した涌井だ。涌井の人的補償として新加入した中郷が同じ投法なのはまさに奇縁である。

 西武・石井投手コーチは「急に(ボールが)出てくるから打ちづらい。涌井も見えにくかった」と評する。打者は打席で通常、投手のリリースの瞬間を見て、ボールの軌道までを線でイメージする。それだけに、中郷のスモーキー投法はまさに煙(けむ)に巻くフォームなのだ。

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2014年2月19日のニュース