桐光 松井は国内プロ志望 高校生最多8球団以上の競合も

[ 2013年5月21日 06:00 ]

<前橋育英・桐光学園>ベンチから声援を送る桐光学園・松井

春季高校野球関東大会準々決勝 桐光学園5―8前橋育英

(5月20日 宇都宮清原)
 昨夏の甲子園で1試合22奪三振の大会新記録を樹立した桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手(3年)が、進路を国内プロ一本に固めていることが20日、分かった。夏の大会後に正式表明する予定だが、今年はドラフト上位候補が少ないため高校生史上最多の8球団以上の指名が重複する可能性も出てきた。また、この日の第65回春季高校野球関東大会準々決勝の前橋育英(群馬)戦には登板せず、チームは5―8で敗れた。

 今秋ドラフトでは、怪物左腕をめぐって国内12球団の激しい争奪戦が展開されそうだ。松井は今月上旬に野呂雅之監督と進路に関する面談を行い「高いレベルの場所で野球を続けたいという確認はした」と明かしたが、関係者によれば「国内プロ野球界への思いが強い」という。

 19日の関東大会2回戦・花咲徳栄(埼玉)戦では延長12回、168球を投げ抜き18三振を奪ったが、スタンドには各球団のGMやスカウト部長クラスが集結。日米13球団のスカウト44人が熱視線を送った。現時点で早くも12球団の1位候補に名が挙がる今秋ドラフト最大の目玉。切れ味鋭いスライダーに関しては「今でもプロで通用する」との評価で一致している。

 メジャーも注目する逸材だが、本人は国内志望とみられる。今年はドラフト上位候補が少ないため、国内プロ志望を正式表明すれば、95年ドラフトで高校生としては史上最多の7球団から指名を受けた福留(PL学園、現阪神)を上回る8球団以上の競合に発展する可能性もある。そのため松井がプロ表明した場合に備え、既に他球団の動向の調査を開始した球団もあるほどだ。

 この日の関東大会準々決勝では出番がなく、敗戦をベンチで見届けた。「(スカウトに)注目していただいているのはうれしい。注目に恥じないように練習していかないといけない」としながらも「(プロへの憧れは)今はない。このチームで全国制覇することしかない」と続けた。

 最後の夏へ向け「相手を見てクレバーな投球をして、球数を少なく連投できるようにすること」と課題を口にした。まずは昨夏に成し遂げられなかった甲子園優勝の夢に集中する。注目の進路については夏の大会後に正式表明する予定だ。

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2013年5月21日のニュース