川崎メジャー70戦目初の先発1番で1安打1打点

[ 2013年4月23日 06:00 ]

<ブルージェイズ・ヤンキース>5回1死一塁、カノの中前安打に必死に飛びつく川崎

ア・リーグ ブルージェイズ8―4ヤンキース

(4月21日 トロント)
 ブルージェイズの川崎宗則内野手(31)が21日(日本時間22日)、メジャー通算出場70試合目で初めて1番に起用された。ヤンキース戦に「1番・遊撃」で出場すると、初回にいきなり内野安打を放つなど、1安打1打点1得点。兄貴分のヤンキース・イチロー外野手(39)の前で、リードオフマンぶりを発揮した。今後も相手先発が右投手の場合には1番で起用される見通しだ。

 試合後のクラブハウス。ボルティモア遠征の支度をする川崎はバッグの中を不安げに探った。「パスポートあった!忘れてたら大変だったよ」。カナダに本拠を置くブ軍は、ビジターは毎回が国境越え。昇格9試合目の初々しさを漂わせた。

 マイナー契約からスタートしたため、通訳が付かない川崎に1番起用の事前告知はなかった。練習前にスタメン表を見て知り「“やるぞ!”と思いました」。練習中、グラウンドに出てきたイチローに猛然と駆け寄り「頑張ります」と伝えた。

 初回は投前に変則的に転がった打球で内野安打。次打者の安打で三進し、1死後に先制のホームを踏んだ。2回1死一、三塁では94マイル(約151キロ)のシンカーを左翼に打ち返して犠飛。今季からバットを約15グラム重くし、一握り短く持つ。大リーグの投手の重い球質に負けじと強く叩く工夫が実を結んだ。ジョン・ギボンズ監督は試合後、「パーフェクト・スタイル」との表現で、今後も対右投手のリードオフマンとして起用することを明言した。

 この日は球場のビジョンにマリナーズ時代にベンチで踊る映像が紹介され、右翼席には特製Tシャツを着たファンが集まる「カワサキ・コーナー」も登場した。出身地・鹿児島弁の掛け声「チェスト!(それいけの意)」で気合を入れて盛り上げるなど明るい性格と堅実なプレーで、早くもナインやファンの心を鷲づかみにしている。

 半面、正遊撃手レイエスの代役として昇格した自身の立場が保証されている訳ではない。「(マイナー降格や移籍など)どこにでも動けるように」と本拠地球場ロジャーズ・センターに隣接したホテルに居を構える。

 今後の起用方針を伝え聞いた川崎は「僕はどこでも自分の仕事をやるだけ。しっかり準備して、毎日グラウンドで大いに発散するだけ。あしたはあしたの風が吹く、ですよ」。背番号66が、戦国ア・リーグ東地区をさらに熱くする。

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