菅野 巨人新人初の4月MVP狙える「欲はあります」

[ 2013年4月23日 06:00 ]

巨人の新人投手では初となる月間MVP4月受賞に挑む菅野

 巨人・菅野智之投手(23)が27日のヤクルト戦(神宮)で球団史上初の偉業に挑む。白星を飾れば、4勝負けなしで月間MVPに大きく前進。セ・リーグの新人投手で4月受賞は、98年の広島・小林幹英以来15年ぶり2人目の快挙で、川口和久投手総合コーチ(53)も獲得を厳命した。ルーキーはまずは初タイトルへの欲を封じ、相手打線を封じていく。

 セ・リーグでは75年に創設された月間MVP。原、高橋由、上原、高橋尚、阿部も成し遂げられなかった偉業を、菅野が目指す。リーグトップの3勝。31奪三振は2位の中日・中田賢に大差をつけ、開幕から防御率1・86と安定した投球を続けてきた。27日のヤクルト戦が4月ラスト登板。勝てば初タイトルに限りなく近づく。

 「意識するとダメなタイプなので、後から結果がついてくれば…。欲はありますが、それを抑えて、自分の投球をしたい」

 13日のヤクルト戦(東京ドーム)は8回3安打1失点、10三振を奪った。相手エースの石川との我慢比べの投げ合いを制したが、次回も慢心はない。ルーキーで4月月間MVPを獲得すれば、球団としては39年目で史上初の快挙となる。ライバルは複数いる。同僚のホールトン、中日のカブレラは3勝で勝ち星が並んでいる。さらに、高卒新人ながら2勝を挙げ、防御率0・86をマークしている藤浪も対抗馬だ。

 20日に投げ合う予定だった広島・前田健が右上腕三頭筋筋膜炎で先発を回避し、21日に出場選手登録を抹消された。今月中の登板は絶望となり、2勝無敗で防御率0・39だった月間MVPの最有力候補がレースから離脱した。川口投手総合コーチからは「新人だけど(タイトルとかを)総なめにできる力を持っている。状態は変わらずいい。夢のある投手。このままいってほしい」と獲得指令も飛び出した。

 この日の菅野は先発投手に与えられる登板2日後の休養日で、甲子園で行われた投手練習に参加しなかった。同コーチは「暖かくなってくれば疲れも出てくる。そのへんはつぶさに見ながら。彼には、土曜日の投手としてやっていってもらいたい」と今後も「サタデー・菅野」として起用していく方針だ。

 デビュー戦の重圧も、相手エースとの投げ合いも、雨と強風という悪条件も、数々の障壁を乗り越えてきた。ベンチの期待にも、ファンの期待にも応えられる。長いプロ生活の序章となる最初の1カ月。チームを勝利に導けば、菅野の名前が球史に刻まれる。

 ◆4月に月間MVPを獲得した新人◆

80年 投手 木田  勇(日)4月=4勝0敗0S[防]0.79
87年 投手 阿波野秀幸(近)4月=3勝0敗0S[防]0.99
92年 投手 河本 育之(ロ)4月=2勝0敗4S[防]0.00
97年 内野 小坂  誠(ロ)4月=率.352[本]0点5盗7
98年 投手 小林 幹英(広)4月=4勝1敗1S[防]1.16

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2013年4月23日のニュース