ダル 制球苦しむも3回無安打無失点、マー君に“お手本”投球

[ 2013年3月6日 06:00 ]

<レンジャーズ・パドレス>2回、ダルビッシュは好守の三塁手A・ベルトレに笑顔

オープン戦 レンジャーズ5―4パドレス

(3月4日 サプライズ)
 田中よ、これがエースの投球だ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)が4日(日本時間5日)、オープン戦2度目の登板となるパドレス戦に先発。序盤から制球に苦しみ2四球を与えたものの、3回を無安打無失点に抑えた。オープン戦2試合連続の無安打無失点投球で、調子が悪くてもエースの仕事をしてみせた。WBCで苦戦している侍ジャパンの田中将大投手(24=楽天)に向け、お手本のような投球を披露した。

 調子は良くない。それはダルビッシュ本人が一番自覚していた。しかし、結果はどうだ。3回を無安打無失点。相手を全く寄せ付けなかった。

 「きょうは球がよく滑ったし、自分の体も思ったように動けていなかった。悪い時に抑えるのが良い投手の役目。そういう意味では良かった」

 序盤から制球が乱れた。初回は15球中7球がボール。2回には先頭への初球がすっぽ抜け、打者の頭上を通過する場面もあった。それでも、悪い流れを引きずらない。初回、2回ともに四球で走者を出した後は「一番信頼できた」と振り返るスライダーで、いずれも見逃し三振に仕留めた。調子が悪いなりに使える球種を早い段階で見分け、勝負どころで配した。

 「なかなか制球できない中で、ちゃんと考えてアウトを取れている」

 エースの条件とは何か。その日の調子に左右されずに先制点を与えないこと。ダルビッシュの姿は、侍ジャパンのエースながら結果を残せずに中継ぎに降格した田中にとって参考になったはずだ。田中はダルビッシュが日本ハム時代から目をかけている弟分のような存在。11年の球宴では2種類のカーブ、12年の合同自主トレでは投球フォームについて助言を送ってきた。調子の悪さを修正力や判断力で補う。それがエースの姿である。

 この日は、新加入捕手のピアジンスキーに「シーズン中はこういう配球はしない」と伝えた。最速154キロの直球を磨く一方、練習中のチェンジアップを1球試したり、緩いカーブを2球続ける場面もあった。「ああいうのもあるよ、ということ。いろいろと試しながら楽しみながら投げた」

 この余裕。オープン戦2試合計5回を投げ、いまだに安打を許していない。3月31日(日本時間4月1日)の開幕投手に一歩前進。首脳陣の信頼は、また一つ深まった。

 ▼レンジャーズロン・ワシントン監督 制球は少し荒れたが、全体的にまとまっていた。特にスライダーが素晴らしかった。練習している球種があれば、打たれようが、投げて磨いていけばいい。

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