マー君 自信回復へキューバ戦中継ぎ起用、2次R3戦目先発も

[ 2013年3月6日 06:00 ]

マー君崖っ縁から必ずはい上がる!!キューバ戦を翌日に控え(前列左から)牧田、前田、沢村、内海らの後方で記念撮影に納まる田中

WBC1次ラウンドA組 日本―キューバ

(3月6日 ヤフオクドーム)
 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大会3連覇を目指す侍ジャパンの田中将大投手(24=楽天)が6日のキューバ戦で中継ぎ登板することが5日、決まった。田中に自信回復の場を与えるとともに、結果と内容が伴えば、首脳陣は2次ラウンド3戦目(11日か12日、東京ドーム)に先発起用する構想も持っている。田中にとって、先発復帰をかけた大事な一戦。キューバ戦に勝てば、侍ジャパンの1次ラウンドA組1位突破が決まる。

 2日のブラジル戦で2回4安打1失点。わずか23球でKOされた田中に、首脳陣は中継ぎで自信回復を図る場を設ける。東尾投手総合コーチは「田中には1~2イニング程度投げてもらおうと考えている」と明言した。

 ここまでの田中は滑るWBC球への対応に苦労。スライダーなどの変化球は腕が緩み、ブラジル打線に痛打された。与田投手コーチは「球速は出ているが、ファウルや空振りを取れていないという側面はある」と指摘する。2月17日の広島戦(サンマリン宮崎)から3試合連続で初回に失点したエースはもがき苦しんでいる。「エースとか柱とか周囲から見られて負担がかかっていたと思う。負担を取り除いてあげるにはどうしたらいいか」。与田コーチは中継ぎ登板の意図を明かした。

 ただ、田中の起用法には、先を見据えた狙いも隠されている。東尾コーチは「彼を中継ぎにするとかそういう意味ではない」と強調した。あくまで先発という位置づけで、田中に本来の姿を取り戻させたいという首脳陣の思いがある。キューバを相手に結果と内容が伴えば、2次ラウンドの3戦目(11日か12日)に先発復帰させることを首脳陣は検討している。1勝1敗なら、11日に準決勝進出を懸けた大一番。2連勝なら12日に全勝突破を懸けた一戦となる。

 一方で、山本監督は「調子のよいものを優先的に起用する」と基本方針も口にする。いつまでも田中の復調を待つわけにはいかない。マウンドで再び不安を露呈すれば、2次ラウンド以降の勝ち試合での登板機会は失われる。キューバ戦の勝敗は問われないが田中にとっては今後を占う大一番。そして、田中の復活は、チームにとっても3連覇を懸けた戦いに影響する。

 午前8時半からヤフオクドームでの全体練習となったこの日、田中はキャッチボール後、ポールと中堅間のダッシュを何度も繰り返した。前日には休日返上で自主練習も行うなど、全力で不振脱出の糸口を探してきた。

 「自分は日本代表でも結果を残していない。だから自分はエースだとは思っていない」

 一見投げやりに思える言葉も、チームに何とか貢献したいという思いの表れ。目の輝きは失ってはいない。

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