中田 WBC初打席で雪辱V打!「悔しかった ただ、がむしゃらに行こうと」 

[ 2013年3月4日 06:00 ]

<日本・中国>2回2死二塁、先制適時打を放った中田(中央)は、ベンチに向かってポーズを決める

WBC1次ラウンドA組 日本5―2中国

(3月3日 ヤフオクドーム)
 第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3連覇を目指す侍ジャパンは3日、中国を5―2で下して2連勝。4日にキューバが中国を下せば、上位2チームが進む2次ラウンド(8~12日・東京ドーム)進出が決まる。自打球の影響で、前日のブラジル戦を欠場した中田翔内野手(23)がWBC初打席の2回に先制適時打。日本の若き大砲がマルチ安打で「世界デビュー」を飾った。

 悔しさも、情けなさも一振りに込めた。侍戦士としてWBCで初めての打席。中田の胸に熱いものが去来し、体が無意識に反応してくれた。

 「きのう(2日)は悔しかった。実力がないので…。ただ、がむしゃらに行こうと思った」

 2回、2死二塁の先制機。中国・羅夏の狙い球は頭に入っていた。球速は130キロ台でも微妙に動くツーシーム。2球目、内角高めに食い込む狙い球に反応した。腕を畳み、軸足(右足)でくるりと回転する。普通に打てば詰まるボールを技と力で左前に運んだ。二塁から糸井が生還。ベンチへ向けて右手を掲げる中田から笑みがこぼれた。

 無理もない。前日のブラジルとの初戦。宮崎合宿からスタメンで出続けた中田は先発から外され、出番はなかった。指名を受けたドーピング検査を終えると、無言で球場を後にした。「自打球は関係ない。実力の問題」。理由が28日の巨人戦で左膝に受けた自打球でないことは分かっていた。

 宮崎合宿の最終日(21日)に急きょ改造した新打法。高く上げていた左足をすり足でステップするように変えた。立浪打撃コーチと連日、マンツーマンでフォーム固め。始動からステップする足が地面に着地し、グリップがトップの位置に入ったときの状態、「割れ」をつくることに専念した。「でも、まだまだ。この短期間では難しい」。ままならぬ打撃改造。バットの位置が自分でも分からなくなるときもあった。前日はバランスを考えてグリップに巻いたテープを山本監督に「外しとけ」と言われた。試行錯誤。その中で、中田は打った。4回にも左前打して4打数2安打の数字を残した。

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2013年3月4日のニュース