阿部が単独トレ 4番だけは不動、浩二監督信頼変わらず

[ 2013年2月26日 06:00 ]

ブラジル代表(手前)が練習する中、ウオーキングする阿部

侍ジャパン強化試合 日本―阪神

(2月26日 京セラドーム)
 3月2日開幕の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3連覇に挑む侍ジャパンの阿部慎之助捕手(33)は25日、京セラドームで休日返上の単独調整を行った。チームは完全休養日だったが、ウオーキングなどで汗を流し、主将としての自覚を見せた。また、山本浩二監督(66)は今後について「日替わり打線」の可能性を示唆したが、「4番・阿部」だけは不動とし、26日の阪神戦(京セラドーム)から最後の仕上げにかかる。

 静寂の外野で阿部は黙々と体を動かした。ウオーキングでじっくりと汗を流した。突如、キューバ代表が練習するとの情報を関係者から伝えられ、グラウンドを明け渡した。結局、キューバは予定をキャンセルしたが、室内練習場に移動して入念にストレッチ。その後は大浴場を独占し、サウナで体をほぐした。

 チームが球場を押さえていたが、完全休養日となったことで一人きりのトレーニングとなった。「久しぶりに緊張感のある試合をしたんでね。だいぶ疲労していた。ここのサウナが好きなんですよ。貸し切り。きょうは風呂入りに来ました」

 前夜は打線の組み替えが功を奏し、オーストラリア代表に13安打10得点で大勝。シャッフルした1番・坂本、3番・内川、5番・長野が機能し、2番に起用した松井が2安打4打点と活躍した。だが、阿部が得点に絡む場面はなかった。広島との強化試合、オーストラリアとの壮行試合の計3試合で9打数1安打、打率・111。「良くない時はやらないので」と、この日はバットを手にしなかったが体調管理に全力を尽くした。

 山本監督も強い信頼感を口にした。「慎之助は(4番から)変えないよ。どんな状況でも慎之助を周りがサポートすればいい。打てなくても他がフォローする形。彼のサポート態勢は整っている」。合宿前から明言していた1番・長野、3番・坂本を崩し、今後も打線をテコ入れする可能性はある。だが、阿部は別格だ。09年大会では極度の不振に陥ったリーダー役のイチローを、原監督が1番で使い続けた。韓国との決勝戦では、そのイチローが延長10回に決勝打を放った。指揮官は阿部の存在感を同じように信頼している。

 26日は阪神戦の前に行われるブラジル―オリックス戦を観戦する。「(スタンドの)上から見てもあまり分からないが、雰囲気だけでもね」と生分析に着手する。初戦まであと4日。主将、4番、正捕手をできるのは阿部しかいない。命運はこの男に託した。

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