WBC 高代コーチ「日本は2R敗退」の米国予想に物申す

[ 2013年1月17日 11:18 ]

「虚を突く野球」で米国の予想を覆したいところだ

 【野球のツボ】WBCイヤーを迎えて、各国のメディアでも大会のことが取り上げられることが増えてきている。アメリカのFOXスポーツでは「日本は第2ラウンドで負ける」と予想した特集番組をオンエアしたそうだ。

 キューバ、韓国に勝てないと判断した根拠は「日本人メジャーリーガーがいないこと」。それだけを理由に、よく言えるな、というのが「日本は勝てない」という声に対する私のアンサーだ。

 確かに海外から見たら、イチローもダルビッシュも黒田もいない代表チームは、戦力が劣ると見えるだろう。メジャーで活躍する彼らの実力は知っていても、今回の代表チームのメンバーについては、ほとんど知らない。自ら情報不足を認めているようなものだ。

 選手がどんな技量を持ち、どんな野球をするのか分かっていないということは、こちらのアドバンテージでもある。相手の虚を突く野球というのも、山本監督以下スタッフの頭の中にはあるのだ。

 虚を突く野球とは、どういうことなのか。基本的にはエンドランを含めた進塁打、バント、走塁。こうした要素を高いレベルで、こなせることが第一。代表合宿でも、基本プレーに相当時間をかけることになる。その上で、実戦で「日本はこんなところで仕掛けてくるのか」と世界を驚かせる野球ができれば、と思っている。三塁ベースコーチとしては対戦相手の守備力、特に外野手の肩のレベルを頭に叩き込んだ上で戦いに臨みたい。

 WBCでは延長での特別ルールとして、延長13回から無死一、二塁の状況からのプレーボールとなるタイブレーク制が導入されている。だが、代表合宿では、このための特別な練習をする予定は今のところない。先に挙げた基本プレーがしっかり出来ていれば、無死一、二塁の状況でも対応は可能だ。どんな相手であろうと、確実に1死二、三塁に出来る。このレベルまでチーム力を上げていけば、日本野球の底力を見せることができると信じている。(WBCコーチ・高代 延博)

 ◆高代 延博(たかしろ・のぶひろ)1954年5月27日生まれ、58歳。奈良県出身。智弁学園-法大-東芝-日本ハム-広島。引退後は広島、日本ハム、ロッテ、中日、韓国ハンファ、オリックスでコーチ。WBCでは09年、13年と2大会連続でコーチを務める。浩二ジャパンの頭脳。

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2013年1月17日のニュース