浩二監督 志願の球拾い!阿部の呼びかけに応え一体感

[ 2013年1月17日 06:00 ]

坂本(右)が使う重量バットで素振りをする山本監督(左)。その姿を見て笑顔の阿部(中央)

 侍ジャパンの山本浩二監督(66)が16日、巨人投手組、野手組の自主トレを視察し、飛び入りでサーキットトレーニングに参加し、球拾いも志願で行った。侍ジャパン候補の激しい練習を自ら体感し、1、3、4番を任せる長野、坂本、阿部らG戦士の仕上がりに太鼓判。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)3連覇へ向かって、指揮官と選手の一体感も構築された。

 侍ジャパンの主力となる男たちの荒い息遣いとほとばしる汗に、山本監督は、たぎる全身を抑えられなかった。

 打撃練習が終わると選手、スタッフと外野へ向かった。「俺にも拾わせてくれよ」。球拾いを買って出るサービスを見せると、その後は補強運動のサーキットトレーニングに飛び入り参加。シャツ、スラックスに白い革靴姿でジグザグ走。気温33度の炎天下で気持ち良く汗を拭った。

 「見に来て良かったなというか、安心した。もう肉体や体力的には問題ない。うらやましいくらい。安心しました」

 海外自主トレを視察すること自体異例だが、球場ではさらに一歩、選手たちの輪に踏み込んだ。代表以外の選手ともあいさつを交わし、自然に「ノックを打とうかな」と口を突いた。これは実現しなかったが、国際試合を勝ち抜くための一体感をつくるために指揮官から動いた。

 阿部、坂本、長野、内海、山口、沢村。グアムにいる巨人の侍たちには、主力を任せる腹づもりだ。前日は主将・阿部に4番を直々に任命し、1番・長野、3番・坂本、4番・阿部の打順を描いている。「そういうことも大いにある。調子悪かったらそうじゃないぞ、とは長野と坂本には言ったけどね」。

 指揮官は長野、坂本が練習で愛用する1・5キロの超重量マスコットバットを握った。13年初スイングだったが、ひと振りで諦めた。「あんなの振ったことない。俺の現役時代はせいぜい1キロあたり。今振ったらケガしちゃうよ」と2人の肉体の強さを実感。練習参加をうながした阿部は「“俺もうずくな”とおっしゃっていました。少しでも元気な姿を見せられたら、というのはこの自主トレの一つの目標だった」と振り返った。

 侍ジャパン始動まであと1カ月。「この時期としてはかなりのものだろう」。2泊3日の強行日程も、侍たちのたくましさを確認した山本監督にとっては、有意義な視察となった。

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2013年1月17日のニュース