おかわり大阪桐蔭後輩へ祝砲 前回優勝日も一発

[ 2012年8月24日 06:00 ]

<西・ソ>1回2死一塁、先制2ランを放ち、ナインに迎えられる中村。左は一走中島

パ・リーグ ソフトバンク2-5西武

(8月23日 県大宮)
 偉業を達成した後輩たちへの祝砲だった。西武の中村が初回2死一塁から先制の19号2ラン。内角低めのシュートをコマのように軸回転で振り抜いた打球は高々と舞い上がり、西武ファンの待つ左翼席へ。「良い本塁打だったと思う。しっかり振ったし良い打撃だったと思う」と決勝アーチに声を弾ませた。

 母校の大阪桐蔭が史上7校目の春夏連覇を達成。自身は高校通算83本塁打と同世代でNo・1スラッガーだった。当時の西谷監督が「試合では変化球を狙い打ちした。普通は直球を打ちたがるもので、あんな1年生は初めて見た」と驚いたように、全方向に本塁打を打てる資質はずばぬけていた。しかし、甲子園出場は3年間で1度もできなかった。それだけに「3回から5回まで家でテレビで見ていた。おめでとうございます。凄いですね。うれしいです」と後輩の快挙を喜んだ。

 08年夏に大阪桐蔭が夏2度目の優勝を飾った夜も、オリックス戦(西武ドーム)で31号中越え弾を含む猛打賞の活躍。同年は46本塁打で自身初の本塁打王を獲得し、チームも日本一と最高の1年だった。そして4年後に再び母校の優勝した日に豪快なアーチを運んだ。

 名スピーチも気分を高揚させた。カーターが試合前のミーティングで「勝敗は紙一重。主将の栗山は戦線離脱したけど、俺たちはチャンピオンらしくふるまおう」と熱弁。中村は「気持ちの入ったスピーチだった」と振り返るように、チームの結束が強まった。負ければ3位転落の危機だったが、ソフトバンク戦の連敗を4で止めた。渡辺監督も「何とか先制してウチのペースで運べればいいと思った。チームに勇気を与える本塁打」と絶賛した。頼れる主砲が栄冠に向けて打ち続ける。

 ▼西武・大崎(6回、右越えに1号ソロ)ボールが伸びてくれました。

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2012年8月24日のニュース