石巻工 「感謝の気持ち忘れず」2季連続へ好発進

[ 2012年7月12日 06:00 ]

<石巻工・亘理>2年連続初戦突破を決めて校歌を歌う阿部翔人主将(左)ら石巻工ナイン

宮城大会2回戦 石巻工9―1亘理

(7月11日 南郷)
 宮城大会では今センバツに21世紀枠で出場した石巻工が亘理(わたり)を破り、15日の3回戦で東北と対戦することが決まった。

 また、あの大舞台で選手宣誓を――。快音、また快音。石巻工が2季連続甲子園出場へ、11安打9得点の猛攻で7回コールド発進だ。三塁打2本で2打点を叩き出した阿部翔人主将は「一人一人がつなぎの意識を持っていたので、ビッグイニングがつくれた。まずは1つ勝ててホッとしてる」と頬を緩めた。

 不安の中で臨んだ今夏初戦だった。センバツ直後の春季大会は地区2回戦で石巻西に0―1で敗戦。敗者復活戦を勝ち抜いて何とか県大会に出場も、2回戦で利府に1―5で敗れた。加えて遊撃手の奥津ら主力にケガ人が続出、チームはバラバラになりかけた。それでもミーティングで阿部は「(震災で)支援してもらった感謝の気持ちを忘れず、全力でやるぞ」と鼓舞。「落ちるところまで落ちろ」とナインを突き放した松本嘉次監督も、この日はベンチ入りしている3年生12人を全員起用、一丸となって戦う姿勢を示した。

 阿部は震災からの復興元年の今春のセンバツで「見せましょう、日本の底力を、絆を」などと、全国の感動を呼ぶ選手宣誓を行った。15日の3回戦では、自身が底力を見せる番だ。相手は夏21度の出場を誇る東北。それは父・克彦さんの無念を晴らす舞台でもある。克彦さんが石巻工野球部に在籍した3年夏の準々決勝、同校で監督を務めた05年夏にも決勝で2―18で完敗した因縁の相手。「父からは何も言われていないけど、何とか勝ちたい」。大会前に全員で頭を五厘刈りにして気持ちを一つにしたナインが、モットーの「諦めない野球」で強豪にぶつかっていく。

続きを表示

この記事のフォト

2012年7月12日のニュース