内海1年ぶり完封 新球が威力発揮「どんどん使った」

[ 2012年6月29日 06:00 ]

<広・巨>約1年ぶりの完封勝利を挙げた巨人・内海はウイニングボールをスタンドに投げ入れるふりをする

セ・リーグ 巨人4-0広島

(6月28日 マツダ)
 約1年ぶりの今季初完封がかかっているとは思えなかった。9回。巨人・内海は淡々とミット目がけて腕を振った。最後まで三塁さえ踏ませず、危なげなく108球を投げきった。

 「うれしい。凄く気持ち良く投げられた。(今季登板14試合目にしての初完封は)遅かったと思います」

 4月29日の阪神戦(東京ドーム)から投げ始めた新球が効いた。右打者を7人並べた広島打線に対して、外角に逃げていくツーシームが有効だった。7回無死一塁では、これで赤松を注文通りに遊ゴロ併殺打にした。逆に3回1死二塁で、左打者の天谷に対しては2ボール1ストライクからの4球目。ツーシームで内角をズバッとえぐって空振りを奪うと、最後はチェンジアップで泳がせて空振り三振に仕留めた。「良かった。どんどん使ってうまく打ち取れた」。精度が徐々に上がる新球に、またひとつ自信を深めた。川口投手総合コーチも「(ツーシームには)打者が差し込まれていたね」と評した。

 疲労の蓄積からバテがくる夏場に備え「走り込みをしっかりやるようにしてます」。交流戦後には黙々とポール間を走り込み、下半身をいじめ抜く姿があった。6連戦の3戦目。「僕が長いイニングを投げれば中継ぎを休ませられると思った」と左腕が言えば、原監督は「完投してくれたのは非常に大きい。見事な投球」と快投をねぎらった。エースとしての自覚がこもった7勝目だった。

 ≪広島戦は5年ぶり2度目≫内海(巨)が昨年5月28日のロッテ戦以来自身8度目の完封勝利。対広島戦は07年7月27日以来5年ぶり2度目となり、カード別では阪神戦と並ぶ最多完封になった。なお、チームでは他に杉内が2度、沢村、宮国が各1度ずつ完封勝利をマーク。今季4投手が完封は西武の3投手を抜く両リーグ最多人数。巨人では02年に上原(現レンジャーズ)が3度、桑田、工藤、入来祐が各1度記録して以来10年ぶり。

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2012年6月29日のニュース