松井 崖っ縁…調子上がらず正DH復帰で代打中心か

[ 2012年6月29日 06:00 ]

<ロイヤルズ・レイズ>8回、代打で空振り三振に倒れ、顔をしかめるレイズ・松井

ア・リーグ レイズ4―5ロイヤルズ

(6月27日 カンザスシティー)
 レイズの松井秀喜外野手(38)は27日(日本時間28日)、ロイヤルズ戦で先発を外れ、8回の勝ち越し機に代打で空振り三振に倒れた。打率・162と不振が続き、復調の兆しが一向に見えてこない。球団がプレーオフ進出に向けて打線のテコ入れに着手する可能性もあり、アンドリュー・フリードマン編成本部長(35)は松井の今後の成績が生き残りの判断基準になるとした。

 あっけなかった。8回に同点とし、なおも2死一、二塁。絶好の勝ち越し機に松井は代打で登場したが、クローのスライダーに空振り三振を喫した。チームは3連敗で地区3位タイに後退。「甘く来たんですけど、ちょっと空振りしちゃいましたね」と口調は軽快だったが、表情は硬かった。

 DH制の試合で先発を外れたのは7日ヤンキース戦以来、9試合ぶり。ジョー・マドン監督は相手先発が左腕で「右打者を並べたかった」と説明したが、松井の今季の先発試合は対右腕が11試合に対し、対左腕も7試合。打率・162の不振が続く現状を見て、先発から外したのは明らかだ。

 試合前にはフリードマン編成本部長が報道陣に対応。「(昇格3試合で2本塁打の)最初の1週間は素晴らしかった。その後2、3週間は不振に陥っているが、特に打者は短い期間で評価をするのは難しい。長期的に判断していくことが必要」とし、今後の成績も見て評価する方針を示した。

 とはいえ、5月29日のメジャー昇格からほぼ1カ月が経過。22試合に出場し、80打席に立った。十分に出場機会を与えられた。同本部長は「体はよく動いている」と評したが、打撃については「本人に聞いて」と明言を避けた。取り巻く状況も厳しい。レ軍は28日(同29日)に正DHスコットが故障者リスト(DL)から復帰。松井の出番は代打中心に限定され、少ない出場機会で結果を出さなければならない。

 DL入りしているロンゴリア、ジョイスの主力野手も球宴前後の復帰が見込まれる。そのため入れ替えで野手2人がマイナー落ちか、戦力外になることが確実。7月31日(日本時間8月1日)のトレード期限も近づいており、長距離打者の補強に走れば、同タイプの松井の立場はさらに危うくなる。

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2012年6月29日のニュース