三振の青木 居残り特打「全然打てるボールだった」

[ 2012年4月8日 06:00 ]

<ブルワーズ・カージナルス>5回無死一、三塁の好機に代打でメジャー初打席に立った青木は空振り三振。口をとがらせてベンチへ戻る

ナ・リーグ ブルワーズ5―11カージナルス

(4月6日 ミルウォーキー)
 ブルワーズの青木宣親外野手(30)は6日(日本時間7日)カージナルスとの開幕戦で4点を追う5回に代打で出場。無死一、三塁の好機だったが、空振り三振に倒れた。ヤクルト時代も初打席は代打で凡退したが、そこから日本球界を代表するヒットメーカーに上り詰めた。

 地元での開幕戦に完敗。試合後、クラブハウスに青木の姿はなかった。ほとんどの選手が着替えを済ませ、家路に就いた頃。バットを手にした背番号7が戻ってきた。約20分間、室内ケージで一人打ち込んでいたのだ。

 「全然打てるボールだったので悔いが残る。今、感じたことを練習でやってみた」

 本拠地ミルウォーキーのファンに「AOKI」の名前をアピールするには、絶好の機会だった。2―6の5回無死一、三塁。代打のアナウンスが響くと、ミラー・パーク史上2番目に多い4万6086人の観衆から大歓声が湧き起こった。しかし、左腕エースのガルシアの前にカウント1ボール2ストライクから空振り三振。後続も倒れて反撃ムードはしぼんだ。ロン・レネキー監督は「欲しいところで得点できなかった」と振り返った。

 しかし、逆境からのスタートは青木の反骨心を駆り立てる。ヤクルトでの初打席(04年7月17日、巨人戦)も代打で遊ゴロ。そこから努力を重ね、首位打者3度を獲得する球界屈指の好打者へと成長した。ブ軍でも契約前に異例の「入団テスト」を課された。だから、三振という結果に落ち込むのではなく、「あすにつなげたい」と試合後もバットを黙々と振った。

 現状は控えだが、オープン戦で打率・299をマークした青木の打撃技術はチーム内でも認められている。その証拠に5回の場面、レネキー監督は左腕のガルシアに対し、右打者がベンチにいるにもかかわらず、オープン戦で左投手に打率・526の好成績を残した左の青木をあえて起用した。「三振」で幕を開けた青木のメジャー1年目。逆境からはい上がっていく姿は、青木の野球人生そのものだ。

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2012年4月8日のニュース