40歳小久保 豪快一発&激走「きょうもいい勝ち方」

[ 2012年4月8日 06:00 ]

<西・ソ>7回1死満塁、ペーニャの中飛で生還したソフトバンク・小久保。捕手・炭谷

パ・リーグ ソフトバンク4-2西武

(4月7日 西武D)
 打った瞬間に分かった。今季最高の手応え。ソフトバンク・小久保は、その場でバットを高く放り投げた。

 「あれが入らんかったら、野球やめるわ。久々にしっかり芯で捉えられた」

 1点を追う5回先頭。カウント3ボールから涌井の140キロ直球を左翼席中段まで運んだ。今季31打席目の待望の1号は通算410本目のアーチとなった。

 40歳とは思えない激走も見せた。同点の7回。追い込まれてからしぶとく、山本浩二、石井琢朗に並ぶ歴代18位タイの372二塁打を右翼線に運ぶ。好機は1死満塁と広がり、ペーニャの打球は浅い中飛。三塁走者の小久保は迷わず突っ込む。本塁で捕手・炭谷と激突しながら、決勝点をもぎ取った。「間一髪や。(捕手に)体当たりしたから左膝が腫れとる」。03年3月6日の西武とのオープン戦(福岡ドーム)で捕手と激突し、右膝前十字じん帯断裂。1年間離脱した苦い経験があったが、主将ならではの献身的な走塁だった。

 昨季は首痛に悩まされ、12月には頸椎(けいつい)ヘルニアの手術を受けた。開幕前には左ふくらはぎ痛、両足首捻挫と相次ぐ故障。「ふくらはぎは4度痛めたが、3度再発した。電気治療の量が多いと筋肉が柔らかくなりすぎる」。年齢には逆らえないが、その存在感は色あせない。

 通算2000安打へあと31本。「まだまだ、先の話ですよ。それより、きょうもいい勝ち方だった」。大記録より、目の前の1点、目の前の1勝。粉骨砕身をいとわない男がけん引するからこそ、チームは首位に立つ。

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2012年4月8日のニュース