ダル強気発言の真意は「思ったより飛んだ。パワーある」

[ 2012年3月10日 06:00 ]

<レンジャーズ・ホワイトソックス>守備につく福留に帽子をとってあいさつするレンジャーズのダルビッシュ

 レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)の発言が波紋を広げた。オープン戦初登板から一夜明けた8日(日本時間9日)、パドレスのウィル・ベナブル内野手(29)に浴びた特大二塁打に関するコメントについて、米メディアが大きく報道。ベナブルが謙虚さに欠ける発言と応戦したこともあり、話題を独占した。通訳を介したことで真意が正確に伝わらなかったためだが、思わぬ反響の大きさにダルビッシュも困惑気味だった。

 これも「1億ドル男」の宿命か。2回無失点3奪三振の満点デビューを飾ったダルビッシュ。しかし、登板翌日の話題の中心は、投球内容よりもあわや初被弾という打球に対する発言だった。

 問題の場面は2回。先頭ベナブルの中堅への大飛球は飛距離は文句なしの本塁打だったが、10メートル以上あるフェンスの上部に直撃した。ダルビッシュは会見で「乾燥や風もあるので普通よりは伸びているとは思った。でもそんなに捉えられたという感じはしなかった」と説明。しかし、通訳を介したこともあり、米メディアは「打者を認めない強気発言」と理解した。

 ここからは伝言ゲーム。米メディアからダルビッシュの発言を聞いたベナブルは試合後の取材では言葉をのみ込んだが、地元サンディエゴのラジオ局のインタビューに応じると反論した。「あの打球が捉えられてないと言うならば、誰も彼の球を捉えられない」。さらにメジャー5年目のプライドをちらつかせ「彼からは(相手に)敬意を示すような言葉を聞きたい」と注文も付けた。米メディアも「負けず嫌いな性格が生んだ発言」などと分析するなど、とんだ騒動となってしまった。

 ダルビッシュは真意が正確に伝わっていないことに困惑気味。自身のツイッターで「“球は捉えられてないと思ったけど思ったより飛んだ。パワーありますね”という意味です。本人(ベナブル)も嫌な思いをしていたら嫌なので、誰か伝えてもらえるとうれしいです」と書き込んだ。ロン・ワシントン監督も「ユウはユウであればいい。そう感じたのならば言えばいい」と擁護した。

 この日は室内での有酸素運動や軽めのキャッチボールなどで調整したダルビッシュ。次回登板は13日(日本時間14日)のインディアンス戦。投球だけでなく、その発言にも注目が集まる。

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2012年3月10日のニュース