数字上は圧倒的有利も 森野「過去のデータ関係ない」

[ 2011年11月15日 06:00 ]

打撃練習で鋭い打球を飛ばす森野

 名古屋で決める! 敵地・福岡で日本シリーズ第1、2戦を連勝した中日は14日に名古屋に戻り、ナゴヤドームで全体練習。落合博満監督(57)はわずか10分間、グラウンドに姿を見せただけで、これまで通りのオレ流を貫いた。選手会長の森野将彦内野手(33)は、あえて有利なデータを無視することを宣言。一戦必勝の心構えで地元で日本一を決定させる。

 落合監督就任後の8年間で5度目の日本シリーズとなった竜戦士に、油断などあるはずがなかった。強敵・ソフトバンクに博多で連勝し、最高の形で名古屋へ帰還。数字上は圧倒的優位となったが、前夜の第2戦で決勝打を放った森野は表情をキリリと引き締めた。

 「過去のデータは全く関係ない。有利になっただけで、必ず勝てるわけじゃないんだから。あした試合で勝つか負けるか。それだけですよ」

 これまでの日本シリーズで1、2戦を連勝したチームのV率は79%。敵地での連勝発進となると83%までアップする。さらに、15日から3連戦が行われるナゴヤドームでは、今季42勝22敗6分け、勝率・656と圧倒的な数字を残した。データの上ではもはや日本一に手がかかったような状態だが、それが一転、落とし穴になる危険性もはらんでいることを百戦錬磨のナインは知り尽くしているのだ。

 「ソフトバンクだってこれまではあれだけホームで強かったんだから。ナゴヤドームだからといって、余裕を持っちゃいけない」。一戦必勝。目の前のゲームに集中すれば、自然とホームの追い風が吹いてくれるはず―。選手会長がナインの気持ちを代弁した。

 もちろん、それを一番分かっているのが落合監督。第2戦後には「先のことは考えず、名古屋に戻ってきちっとした野球をやりたい」と話していた。レギュラーシーズン同様、移動日のこの日は2連投した岩瀬、浅尾にブランコら主力は完全休養。監督就任以来、結果を出し続けてきた泰然自若の構えで、あと2勝をつかむ。

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2011年11月15日のニュース