由規 故郷仙台で楽天戦に復興先発へ

[ 2011年5月11日 06:00 ]

練習を終え、宿舎に入る由規

 ヤクルトの由規投手(21)が出身地・仙台で20日から行われる交流戦・楽天戦(Kスタ宮城)で先発することが決まった。この日の中日戦(金沢)が雨天中止。先発予定だった石川が11日の同戦(富山)にスライドされ、由規の登板日もずれるため、東日本大震災で被災した故郷での復興登板が実現する。

 小川監督が心に秘めていたことでもあった。「今年に限っては可能性があれば由規を仙台で投げさせるべきだと思っている。きょう流れたことでそうなる可能性はほぼ100%。彼にとっても、仙台にとっても一番いいことだと思う」。予告先発のないセ・リーグでは異例の宣言だが、それだけ意味のある登板になる。

 13日からの横浜3連戦(横浜)を経て、楽天戦に臨む由規は「まだ言われていない」と前置きした上で「そうなれば張り切って。投げたい気持ちはあった。特別な1年だし、過去2回とはまた違う気持ちで臨める」と当日を見据えた。過去Kスタ宮城は2試合で1勝1敗ながら、防御率1・23と安定感をみせる。震災で実家のある仙台市は甚大な被害を受け、仙台育英でバッテリーを組んだ1学年上の先輩・斎藤泉さんは津波にのまれ他界した。由規は、遺体が発見された4月27日の巨人戦(草薙)のウイニングボールを霊前に届ける考え。そして、地元での雄姿が、復興へ歩み始めた町のエネルギーになってほしい。

 震災後、何度も足を運びたいと願った仙台への初帰省。故郷に錦を飾る由規にも、仙台のファンにも、忘れられない1日になる。

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2011年5月11日のニュース