斎藤リード守れず6回3失点降板、3連勝お預け

[ 2011年5月2日 06:00 ]

<日・西>6回に同点に追いつかれマウンドで吉井コーチ(右後方)と話す斎藤(中央) 

パ・リーグ 日本ハム3-3西武

(5月1日 札幌D)
 連勝中の日本ハム・斎藤が西武戦で3試合目の登板。しかし、2点のリードを守れずに、斎藤がマウンドを降りた。5回を終えて3―1と勝利投手の権利を得ながら、6回に連打を浴びて同点とされた。スライダーの多投が裏目に出た。

 「スライダーに(タイミングが)合っていなかったし、振ってくると感じた」

 6回無死二、三塁で5番フェルナンデス。そこまでの2打席はスライダーで2三振に仕留めていた。この打席でも外角低めのボール球のスライダーを振らせて2球で追い込んだ。その後も同じコースへスライダーを続ける。しかし、ファウルでカットされ、フルカウントから高めに浮いた9球目を左前に運ばれた。結局、フェルナンデスに対する3打席計16球が全てスライダー。最後にタイミングを合わされるのも当然だった。

 捕手の大野は「きょう(1日)はスライダーが一番良かった。でも6回のフェルナンデスは、直球やツーシームを見せないといけなかった」と振り返る。5回まで直球主体で攻めていた。17日ロッテ戦(札幌ドーム)は14%、24日楽天戦(ほっと神戸)は19%だった直球の割合がこの日は27%に増えた。特に4回には4番中村からプロ3試合目の登板で初めて直球で空振り三振を奪い、「自信には多少なる。(理想の投球に)何となく近づいてきた」と手応えも感じていた。しかし、クリーンアップを迎える6回。勝負どころと踏んだのか、中島、中村、フェルナンデスに投じた計18球中16球がスライダー。自らの直球に確信が持てなかったのか、現時点で最も自信のある変化球に頼った。

 同じ球種を続ければ、プロの打者は狙い打ってくる。しかも、変化球の多投で握力は弱まり、制球力も落ちる。吉井投手コーチは「終盤に疲れが出てきた時に変化球を投げ続けるとああいうことになる。あの配球では毎回6回で終わってしまう。目指すところはそこではないはず」と評した。

 プロ入り最多の112球には「カウントをずっと悪くしていたので、乗っていけない感じもあった」。この日の観衆は今季の日本ハム主催試合で最多の4万2063人。ファンが求めるのは、7回以降もマウンドを守る斎藤の姿。「あの点(リード)を守れなかったのは悔しい。きょうも3失点。よりゼロに近く投げたい」。悔しさは今後の糧にする。

 ▼日本ハム梨田監督 球数が多かったので代えざるを得なかったけど、6回3失点は(先発として)十分評価している。

 ≪対戦重ねるごとに増える被安打≫斎藤(日)が6回3失点で勝敗はつかなかった。打者2巡目まで被安打1本も、3巡目に3本。打者との対戦回数別の被安打は1巡目から3→6→9となっており、対戦を重ねるごとに多くなっている。また、過去2戦で左打者は打率・150(20打数3安打)に抑えたが、右打者には・423(26打数11安打)と苦戦。5回まで左の坂田の1安打のみと課題克服を感じさせたが、6回に右打者3人に3連打。今後は打者2巡目以降と対右打者対策が必要だ。なお、62年尾崎行雄(当時東映)に次ぐ開幕3戦3勝を逃した斎藤だが、同じ尾崎が持つチームの新人開幕連勝記録の6連勝に挑戦したい。 

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2011年5月2日のニュース