阿部23発!“飛ばない”統一球、パワーで柵越え

[ 2011年2月9日 06:00 ]

特打で快音を連発する巨人・阿部

 巨人の阿部慎之助捕手(31)が8日、今キャンプチーム初のランチ特打に臨み、102スイングで23本の柵越えを披露。今季から使用される飛距離が出ないとされる統一球をものともせず、昨年44本塁打のパワーを見せつけた。2年連続40本塁打以上なら、捕手では野村克也(現楽天名誉監督)、田淵幸一(現楽天ヘッド兼打撃コーチ)以来、史上3人目の快挙。バットと人望でキャンプを引っ張る主将が、チームを2年ぶりの優勝へと導く。

 チームで、いや球界でも随一のパワーを見せつけた。チームで初めてのランチ特打。最後のスイングで放たれた23本目のアーチも右翼席中段で弾んだ。2月上旬にもかかわらず、ど派手な打撃でスタンドのファンを魅了した阿部は「打球は別にして、強く(バットを)振れたので良かったです」と汗を拭った。

 102スイングで柵越え23本。71スイングまではマスコットバットで15本。試合用のバットに持ち替えてからは31スイングで柵越えは8本を数えた。フリー打撃で大半の選手が「飛ばない」と口をそろえる統一球。柵越え数も激減している中で、変わらぬパワーを披露した阿部は「統一球は問題ない。ちゃんと打てば飛びますから」と力強く言い切った。

 シーズン中のフリー打撃はミートポイントを確認するために逆(左)方向への打撃を繰り返すが、キャンプ中は体を大きく使ったスイングを心掛けている。この日の23発も全て中堅から右方向へのもの。強く振ること、そして飛距離は現在の状態のバロメーターだ。「引っ張った方が(自分のコンディションが)分かるので」と説明した。

 昨季は自己最多の44本塁打。捕手として2年連続40本塁打以上なら野村、田淵に続く史上3人目の快挙だが最大目標はチームのV奪回。そのために自身に課したノルマが3割、40本塁打、100打点だ。「原監督を胴上げしてビールかけをして、銀座でパレードするのが目標。ノルマをクリアすれば優勝できる」と言葉に力を込める。

 1月のグアム自主トレでは長野、坂本らに打撃指導。現在はベテラン、主力組のS班に所属しているが、第1クールは坂本、亀井ら若手とともに汗を流した。「若手には1年でも早く優勝を経験してほしい」と話す阿部自身、早ければ15日の紅白戦にも出場する。頼れる主将がその背中でチームを引っ張る。

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2011年2月9日のニュース