石井一が導いた!西武377日ぶりの単独首位!!

[ 2010年4月29日 06:00 ]

好投した西武先発・石井一

 【西武3-1ロッテ】トークがなくても、この左腕は凄いんです。西武が28日、ロッテとの首位攻防戦を制し、昨年4月16日以来、377日ぶりの単独首位に躍り出た。5カード連続勝ち越しで、両リーグ最速の20勝到達。立役者は7回4安打7奪三振の1失点と好投で3勝目を挙げた石井一久投手(36)。球場のお楽しみ、恒例の爆笑お立ち台ショーは見送られたが、西武ファンには存分に楽しめるナイスゲームだった。

 日米を渡り歩いた石井一の左腕がチームを377日ぶりの単独首位へと引き上げた。マウンドで一仕事終え、次は西武ドーム恒例お立ち台での爆笑トーク…のはずだったが、2番手で好投した後輩に譲る兄貴分の気遣い。
 「僕もしゃべりたいことがあったんですけど、藤田に譲りました。ブルペンの助けも大きいんで。僕も今年で37歳。後ろの負担がかからないような投球をしないと」
 多少のピンチでは動じない。初回、2死から連続四球の不安定な立ち上がり。2回1死一、二塁からは、今江をボテボテのゴロに仕留めたが、不運にも一、二塁間を抜ける右前適時打で先制を許した。ただ、ここからが真骨頂。「3回からうまく入っていけた」と、試合中でも修正する冷静さで、6回にはサブロー、南を連続で見逃し三振に仕留めるなど、7回1失点。3勝目を挙げ「勝ち負けを争える試合にしたかったんで」とうれしそうに話した。
 強心臓ぶりは、私生活でもうかがえる。ハイヤーの待ち合わせに1時間遅刻。なんとか球場での投手陣集合の午後2時30分ピッタリにグラウンド入り。それでも慌てることなく、のんびり歩いて集合場所へ。結局、1分遅刻したが、「僕の中では1分は遅刻じゃないんで」と平然と言い切る。その度胸がマウンドでは頼もしい。
 毎年、シーズンの目標を立てることがない石井一だが、今季は「岸と帆足に勝ち星で負けない」ことを掲げ、キャンプから精力的に動いてきた。大迫トレーニングコーチは「スピード系のダッシュをするにしても、今年は抜くことがない。一本一本のクオリティーが確実に上がった」と目を細める。その結果、昨季1試合あたりの平均与四死球が3・3だったのに対し、今季は2・4まで減少。渡辺監督は「無駄な四球が少なくなっている」と評したように、下半身強化が制球力アップにもつながっている。
 チームは両リーグ最速の20勝到達。それでもまだ4月。石井一が満足することはない。「このチームはまだ爆発力がある。これが限界じゃない」。充実感に浸るのは、2年ぶりの日本一という頂に立ってからでいい。

 ▼西武・片岡(7回2死一、三塁、遊撃へ決勝の適時内野安打)力み過ぎて、打った後、こけちゃいました。

 <盤石!勝利の方程式>頼れる方程式が出来上がった。好投の石井一の後を受け、8回から登板した藤田は1イニングを零封。最終回のマウンドに上がったシコースキーも無安打に抑え、今季12セーブ目を挙げた。2人のリレーは今季10度目で9勝1敗。今季13試合目の登板で防御率0・00を誇る藤田は「僕らは縁の下の力持ち。地味な形で頑張りたい」と、力強く話していた。

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2010年4月29日のニュース