地元できっちり“初仕事”!松井秀「開幕4番」当確

[ 2010年4月3日 06:00 ]

パドレス戦の5回、準備するエンゼルス・松井

 【エンゼルス3-5パドレス】名刺代わりの一打だ。エンゼルス・松井秀喜外野手(35)が1日(日本時間2日)、本拠エンゼルスタジアムで今季初めて行われたオープン戦のパドレス戦に「4番・DH」で出場。初回の初打席で初球を叩き、一塁内野安打で本拠地初打点を記録。初ものづくしのデビューを飾り、地元ファンを沸かせた。マイク・ソーシア監督(51)は松井の「開幕4番」を明言した。

 打席に入る松井はファンから拍手と大歓声で迎えられた。初回2死二塁。ヤングの外角高めの87マイル(約140キロ)直球を叩いた打球はパドレスの一塁ゴンザレスのミットをはじいて右翼方向へ。本拠地デビューの初スイングで先制打を挙げた。
 「何度もこの球場でプレーしましたけど、ホーム側は初めて。不思議な感じがする。幸先いいスタート?そうですね。よかったと思います」
 好球必打を信条に掲げる松井にとって、初球打ちは調子のバロメーターだ。オープン戦で放った11安打のうち、最近の3本はいずれも最初のスイング。この日の打撃についても「多少強引な感じはあったけど(初球を)打ったのは悪くない。甘い球だと思いますから」と納得顔。状態がいいからこそ、ひと振りで仕留めることができる。
 同球場を訪れたのは、昨年12月の入団会見以来。ヤンキース時代は何度もプレーしたが「エンゼルスの一員として試合に来るのは初めてですからね」と気分も違ったようだ。前日、休養日を与えられたとはいえ、アナハイムの自宅の荷物整理も「まだ全然進んでないよ」と苦笑い。ロッカーの前は段ボール箱が山積みで、両隣をマイナーの招待選手に挟まれ、窮屈そうにしながら荷物整理に追われた。そんな中でも試合できっちり結果を出すのがメジャー8年目、昨年ワールドシリーズMVPの凄みだ。
 オープン戦17試合で16度4番を務め、打率・262、1本塁打、9打点。ソーシア監督は「優勝チームで長く中軸を打った経験があるし左投手も苦にしない。現時点でヒデキは開幕4番で考えている」と明言した。開幕4番はヤ軍時代の昨年から2年連続となる。
 新たな本拠は、これまで敵地最多タイの8本塁打を記録している相性のいい球場でもある。「全体的に素晴らしい球場だと思います。設備もいいですね」と松井。上々のお披露目を済ませ、残り2試合で腰を据えて最終チェックに臨む。

 <ドジャース戦で「左翼」最終テスト>松井は2日(日本時間3日)のドジャース戦で、左翼守備の最終テストを行う。オープン戦4度目で初のナイターとなるが「ひざの状態をチェックしながらにはなるけど、普段通りやりたい」。唯一の心配は寒さで、この日の試合開始時の気温は、アリゾナ州テンピで前回出場した30日のプレーボール時よりも18度低い13度。「ちゃんと(体を)温めていかなくちゃいけない」と話していた。

 <ソーシア監督「パワー増した」>今季のエ軍打線について、ソーシア監督は「スピードは落ちたがパワーは増した」と繰り返す。松井と昨季ブレークした5番モラレスを軸に、2~8番は長打が望める。マシスと併用されながら昨季20発を放った捕手ナポリも他球団には脅威だ。また、開幕投手は昨季16勝右腕ウィーバーに決定。2戦目は同じ16勝を挙げた左腕ソーンダースが務める。

 ◆松井の開幕4番 ヤンキース時代は、昨年4月6日(日本時間7日)のオリオールズ戦で初めて座った。ロドリゲスが股関節痛で戦列を離れたためだが、日本人初の開幕4番で7回に右中間2ランを放った。巨人時代の開幕4番は5度(96、98、00~02年)。大リーグでの4番通算は115試合で打率・287、15本塁打、81打点。

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2010年4月3日のニュース