“消された完全試合”憲伸まさかの打球直撃

[ 2009年6月26日 06:00 ]

<ブレーブス・ヤンキース>3回、ヤンキース2死、チェンバレンの打球を右首に受ける川上憲伸

 【ブレーブス4―8ヤンキース】ブレーブス・川上憲伸投手(34)は24日(日本時間25日)、アトランタ(米ジョージア州)で行われたヤンキース戦に先発。3回に9番打者で相手先発チェンバレンの打球を首の右付け根付近に受け、“完全試合”の中で無念の降板となった。

 「(自分が出した)グラブに隠れて(打球が)見えなかった」。弾丸ライナーが川上を襲った。自らの首を直撃した打球は遊ゴロとなりチェンジとなったが、川上はぼう然とした表情でマウンド上に両ひざをつき、左手で首を押さえた。静寂に包まれるスタジアム。血相を変えてベンチからコックス監督とトレーナーが飛び出した。
 結局、その裏の攻撃で代打を送られ、メジャー移籍後最短の3回で降板。幸いにも骨やのど仏といった急所は逃れたことで、アイシング治療を施しただけで、チームドクターの診断は打撲。当面は2日間安静にして様子を見ることになった。次回登板が予定される30日のフィリーズ戦について、コックス監督は「(29日はチームの試合がないので)川上の登板を飛ばして、ローテーションを1日繰り上げれば、順番を変えないで済む」。先発を1度回避するだけで戦列復帰できる見通しを語った。
 “軽症”で済んだことで、試合後の川上は笑顔ものぞかせた。「当たったことより、何がショックって、(交流戦以外は打席に入らないア・リーグの)投手に芯でとらえられたこと」と自虐ジョークで切り返す余裕も。さらに68歳の老将に手を引かれながらベンチに退いた場面を振り返り、「恥ずかしいなと思ったけど、拒否するわけにもいかないし…」と苦笑い。本当に悔しかったのは1人の走者も許さない最高の序盤をフイにしたことで、「治療している時に“投げられないかな?”と聞いたら“あり得ない”と言われた」。アクシデントがなければパーフェクト投球は続いていたかもしれない。

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2009年6月26日のニュース