東洋大「感無量」5連覇!エース鹿沼2冠

[ 2009年5月28日 06:00 ]

<東洋大・亜大>5連覇を達成し、高橋監督(中央)を胴上げする東洋大ナイン

 東都大学野球春季リーグ最終週最終日は27日、神宮球場で東洋大が亜大を3―2で下して、5季連続14度目の優勝に輝いた。5連覇は1939年春から6連覇した専大以来で、リーグ史上2度目。戦後では初の快挙となった。10試合に救援登板し、優勝の原動力となった東洋大・鹿沼圭佑投手(3年)が最高殊勲選手と最優秀投手の2冠に輝いた。亜大は3位に終わり、今季3完封を含む4勝を挙げた東浜巨(ひがしはま・なお)投手(1年)はベストナインを獲得した。

【試合結果


 拳を突き上げるナインを高橋監督は頼もしげに見つめ、深々とグラウンドに一礼した。“戦国東都”で達成した5連覇の快挙。「勝っちゃったよ。夢のようで感無量。学生たちが頑張った」。3度宙に舞った指揮官の笑顔がはじけた。
 連日1点差を逃げ切っての勝利。「ゲームをやっててつらかった」。高橋監督はシーズンを振り返った。一昨年は大場(ソフトバンク)、昨年は上野(ロッテ)、大野(日本ハム)らを中心に優勝を重ねたが今季はリーダー不在。さらに開幕前の調整時期に、川越市内のグラウンド改修工事も重なって練習量も限られた。逆境の中で指揮官が選んだのが“投手陣の分業制”。大黒柱不在の今季はリーグ全11試合を継投でしのいだ。先発が5回を投げきる前の交代も5度に及んだ。その日の調子を見極め、交代時はスパッといく。「プラン通り」。就任38年目の高橋監督の采配に、シーズン前に「今季は投手陣で勝とう」と誓い合った投手陣が期待に応えた。
 先発メンバーに7人の下級生が顔をそろえた若いチーム。シーズン中は日付が変わっても室内練習場で汗を流した。首位打者に輝いた小島主将は「個人練習量は昨季までより絶対に上。誰にも文句を言わせない」と胸を張る。“雑草軍団”は努力を重ねることでV5の重圧を打ち破った。
 戦前に専大がマークした東都記録のV6まであと1。「大場が勝てることを証明しそれが今も引き継がれている」と高橋監督。歴史を塗り替える戦いはまだ終わらない。

 ≪亜大 東浜は8回から登板2K「悔い残る」≫前日の1回戦で大学初黒星を喫した1年生右腕の東浜は8回から登板。1回2奪三振の力投を見せたが、白星には結びつかなかった。「最後にきて自分の力不足を痛感した。悔いの残る最終戦となった」と悔しがった。1年春の投手としては65年の芝池(専大)以来44年ぶりにベストナインを獲得したことには「凄くうれしいです。この賞をもらったことで人一倍、行動に気をつけていきたい」と気を引き締めていた。

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2009年5月28日のニュース