上原S締め 北京では頑張ってくれるでしょう

[ 2008年7月30日 06:00 ]

広島を破り、タッチをかわす(右から)上原、小笠原ら巨人ナイン

 【巨人6―2広島】充実感がこぼれた白い歯に表れていた。前半戦ラストゲーム。巨人勝利の輪の中心にいたのは上原だ。今季初セーブ。日本代表の守護神として北京に向かう男にとって最高の締めくくりだった。

 「監督から“9回も行ってくれ”と言われた。いい形で五輪に行ける?そうなるといいですね」。3点差の8回に登板し、1死一塁からシーボル、石原をいずれもフォークで連続三振。4点差に開いた9回もマウンドに上がり、あっさり3人で片づけた。2回で3三振を奪い、1安打無失点。現役引退した野茂英雄氏に似たトルネード投法に躍動感が戻ってきた。
 6月下旬にセットアッパーとして復帰しても投球フォームに苦しんだ。右腕が顔から離れて横振りになる。そのため直球はシュート回転し、フォークは落ちない。もちろん結果も伴わなかった。だが、努力はウソをつかない。尾花投手コーチと二人三脚でフォームの修正に取り組み、ここ数試合は上から投げ下ろす本来のフォームを取り戻しつつある。上原本人も直球には手応えをみせ「あとはフォークの落ちとコントロール」と話した。
 同じく北京五輪代表の女房役・阿部は9回にダメ押しの13号ソロで締め「上原さんは良かった。これで自信を持っていけるでしょう」とうなずいた。「いい精神状態で全日本に入って北京で頑張ってくれるでしょう」と原監督。日の丸のユニホームに袖を通していいのか自問自答した時もあったが、もうその必要はない。上原の目には金メダルしか映っていない。

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2008年7月30日のニュース