上原1軍合流で豪華救援陣トリプルK結成

[ 2008年6月25日 06:00 ]

一軍に合流し、投内連係ではつらつとした動きを見せる上原

 エースが帰ってきた!不調のため2軍で調整を続けてきた巨人の上原浩治投手(33)が24日、川崎市のジャイアンツ球場で行われた1軍練習に参加。リーグ戦が再開する27日の広島戦(広島)で出場選手登録され、当面は中継ぎ待機する予定だ。チームは交流戦を14勝10敗で乗り切り、貯金1。豊田、クルーンに、北京五輪の日本代表でも守護神役を務めることが濃厚な上原を加えた強力救援トリオで阪神、中日の上位2強を追う。

 チームメートから温かい拍手を浴びた上原は、少しはにかみながら頭を下げた。練習開始前、原監督は「きょうから合流することになったから」とナインに紹介。4月27日の出場選手登録抹消から約2カ月。日の丸でも守護神としての活躍が期待される右腕が、リーグ連覇、6年ぶり日本一を目指す軍団に加わった。
 いきなり濃密な練習を自らに課した。練習開始時間は午後1時だったが、午前10時30分には球場に到着してウエート。全体練習でアップ、キャッチボール、投内連係を終えると木村トレーニングコーチとともに約80メートルの遠投も行った。最後はマウンドから本塁までの距離で強めのキャッチボール。センターからポール間のランニングも行うなど、汗を流しまくった。
 体調面に問題がなければ27日の広島戦から出場選手登録され、当面は中継ぎ待機する。原監督は「上原?順調だよね。起用法?その辺はミステリアスでいいでしょう」と明言を避けたが、尾花投手総合コーチは「短いイニング?それしかないでしょう」と明言。さらに「最初は点差がある場面?」との問いに「何を言ってるの?うちのエースですよ」と、いきなりセットアッパーの大役を任せる意向を示した。
 セットアッパー・豊田、守護神・クルーンに上原が加わることにより、浩治、清、クルーンの豪華リレー「トリプルK」が完成する。抑え経験がある3人に終盤の3回を任せることができれば、先発も序盤から飛ばせる。この日は中継ぎで両リーグトップの36試合に登板する西村健が疲労蓄積により別メニュー調整。中継ぎ陣は登板過多だっただけに長いイニングもいける上原はまさに“スーパーリリーフ”だ。
 守護神から先発に復帰した今季は開幕から5試合で0勝4敗と低迷して2軍落ち。古傷を抱える両足への不安を消し去るため、地道に走り込んだ。2軍戦での登板機会は雨天中止などで流れたが、22日にはシート打撃で実戦感覚を取り戻し「直球もフォークもよくなっている」と手応えも十分。25日の練習では広島3連戦に向けてブルペン投球を行う予定だ。
 もちろん、先発へのこだわりもある。だが、現時点での役割も分かっている。帰り際、上原は「与えられたところで頑張るだけです」と、短い言葉に決意をにじませた。

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2008年6月25日のニュース