延長、再延長…ENEOS 4季ぶり23度目優勝で下克上完遂 

[ 2023年4月18日 04:45 ]

バスケットボール女子Wリーグプレーオフ決勝第2戦   ENEOS74―65ヨタ自動車 ( 2023年4月17日    東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ )

優勝を果たし歓喜のENEOSの選手たち
Photo By 代表撮影

 2戦先勝方式の第3戦が行われ、ENEOSがトヨタ自動車に再延長戦の末に72―64で勝利し、4季ぶり23度目の優勝を果たした。初戦を落とし後がない状況から2連勝で女王奪還。レギュラーシーズン4位からの下克上で、皇后杯との2冠を達成した。大黒柱の渡嘉敷来夢(31)が20得点13リバウンドの活躍でプレーオフのMVPを獲得。トヨタ自動車は馬瓜ステファニー(24)が20得点14リバウンドと奮闘したが、3連覇を逃した。

 再延長にもつれる死闘を制した直後の場内インタビュー。渡嘉敷は「優勝して泣くキャラじゃないけど、涙が止まらない」と涙し「サンフラワーズが帰って来ました~」と絶叫した。公式会見でもチームメートの発言を聞き、何度ももらい泣き。「去年決勝に立てなかったことが本当に悔しくて。いろんなことがあるからこんなに泣けるのだと思う」と声を震わせた。

 20年12月に右膝前十字じん帯を断裂して東京五輪を欠場。チームも18~19年を最後に優勝から遠ざかり、昨季は準決勝で敗れて16年ぶりに決勝進出を逃した。女王奪回を期す今季は在籍13年目で初めて主将に就任。「これで勝てなかったら自分も終わり」との覚悟でシーズンを迎えたが、開幕戦はトヨタ自動車に57―70で完敗した。

 レギュラーシーズン(RS)も4位に沈んだが、プレーオフは準決勝でRS1位のデンソー、決勝で同2位のトヨタ自動車を撃破。渡嘉敷は決勝の全3試合でダブルダブルを達成(1試合平均18得点12・7リバウンド)する絶対的存在感を示した。「最高のチーム」と誇った上で「また常勝軍団に戻れるか?」の質問には「簡単には言えない」と返答。11連覇した4年前を超えるチームをつくるため、まだ走り続ける。

 <トヨタ自動車>就任1年目の大神監督は「皆が全力を尽くしたベストゲーム。改めてバスケの楽しさを選手が表現してくれた50分だった」とかれた声で振り返った。現役時代に2度のWリーグプレーオフMVPに輝いたレジェンドは、昨年5月にアシスタントコーチから昇格。2連覇中のチームを託された重圧の中、3連覇まであと一歩に迫った。馬瓜はWNBAニューヨーク・リバティーとトレーニングキャンプ契約を結んでおり、近日中に渡米予定。「自分らしく楽しんできたい」と切り替えた。

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2023年4月18日のニュース