【竹内映二の目】錦織 「芝の消耗」3回戦までいかに抑えるか

[ 2015年7月1日 07:44 ]

試合途中、痛めている左ふくらはぎを押さえる錦織
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ウィンブルドン選手権第1日

(6月29日 英ロンドン・オールイングランド・クラブ)
 芝でのテニスは足を取られる。そのため、足が微妙に滑るのをこらえて体をコントロールすることが大事になる。ハードコートやクレーコートに比べて球の弾み方は低くなり、イレギュラーも増えるため、重心を下げて構えないといけない。消耗するのはスタミナではなく関節や筋肉。アイスリンクでスケート靴を履いてブレーキを繰り返していたら、いつの間にか足がぱんぱん。そんな表現で伝わるだろうか。だから錦織のような筋肉系のケガが起こりやすい。

 不安はあったはずだが動きに問題はなかった。ボレリはサーブ&ボレーが得意で、片手バックハンドでスライスもしっかり打てる。キャリア通算では芝での勝率が一番高く、初戦で当たるには厄介な相手。錦織は第1サーブ成功率が59%止まりだったものの、最近は球種、配球を含めたサーブ力が上がっており、相手に主導権を渡さずに済んだ。最終セットまでもつれたが、ブレークを許したのは1ゲームのみ。サーブ力の優劣が結果を左右するウィンブルドンで勝ち上がるには、サービスゲームを高い確率でキープすることが条件。それをクリアできていた。

 次戦のヒラルドはクレーコートを得意とする選手で、ボレリに比べれば戦いやすいだろう。3回戦までいかに肉体の消耗を抑えて乗り切れるか。それが大会第2週、そして今大会の結果まで大きく左右するはずだ。 (元デビス杯日本代表監督)

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