【丸山茂樹が分析】驚くべき21歳 スピースの精神力の強さに脱帽

[ 2015年6月23日 10:15 ]

新王者誕生。夕日を背にトロフィーを掲げるスピース(AP)

USPGAツアー全米オープン

(6月21日 ワシントン州ユニバーシティープレース、チェンバーズベイ=7384ヤード、パー70)
 言葉がない。波瀾(はらん)万丈というか、メジャーにふさわしい凄い戦いだった。

 スピースは驚くべき21歳だ。18番で、ティーショットをバンカーに入れないようにディスタンス・コントロールして打ったのは見事だった。2打目がグリーン奥まで転がった後、戻ってカップの手前についたり、全てが良い方向に行った。神様が味方したのかもしれない。

 16番でバーディーを奪い、3打リードで迎えた17番でティーショットをミスしたのはプレッシャーが原因だろう。それでも自分でリズムを取り戻したところがスピースの強さだ。

 総合力は最近の選手の中でNo・1。メンタルの強さも発揮した。大会前はD・ジョンソンをはじめ飛ばし屋が有利で、スピースのメジャー連勝は厳しいと思っていたが、その予想を覆された。恐れ入ったと言うほかない。

 D・ジョンソンは18番で3パットして優勝を逃したが、2打目がカップの奥に止まったのが不運だった。あの位置は奥につけるか、手前につけるかで全然違う。下りのパットはタッチを合わせるのが非常に難しい。ただセカンド(バーディー)パットはもっと落ち着いて打つべきだった。

 松山は満足できるゴルフができなくても、この位置にいられるのが凄い。マキロイが「彼に必要なのはメジャー大会での経験」と話していたように経験値を高めることでメジャー制覇に近づくと思う。まだ米ツアー本格参戦2年目。これから時間はたくさんあるし、メジャーでも十分勝てる。自信を持ってやってもらいたい。(プロゴルファー)

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2015年6月23日のニュース